ブドウ栽培から醸造まで体験する「週末ワインメーカーズ」が5月、塩尻市内のワイナリーで始まる。現在、参加者を募集している。

　参加者は5月11日から来年2月22日までの期間中、月に1度程度、監修を務める「サンサンワイナリー」（塩尻市柿沢）に通いワイン造りを体験。試飲やミニセミナーを通じてワインへの理解を深め、全員で話し合い「どんなワインにするか」を決めて、栽培から醸造まで行う。居住地は問わず、定員31人を募集する。

　主催はソフトウエアの開発などを行う「エプソンアヴァシス」（上田市）。同社の社員がアイデアを出し合い進める新規事業の一つとして行う。発案者は塩尻市在住の依田剛さんで、「当社のビジョン『人びとを幸せに、発想と技術で未来をクリエイトする』と、塩尻のワインを結び付けたい」と、これまでさまざまなワイン事業に挑戦してきた。

　昨年8月には、市内で社会実験「地方副業×ワインづくり」を実施。参加者には副業先を同社としてリモート業務を用意し、住居も手配して2拠点生活を送ってもらった。依田さんは「オンライン説明会には200人が参加し、最終的には市内に住居を購入する人もいたが、『いきなり2拠点生活を始めるのはハードルが高い』という声もあった」と振り返る。

　その課題を踏まえ、今回は気軽に参加できる形を検討。週末だけのスケジュールにするほか、携わる製造工程を増やし、より深くワイン造りを学べる内容にした。依田さんは「10カ月のプログラムの中で、塩尻を第二の故郷と思う人が生まれたらうれしい。これをきっかけに移住する人やワイン事業に関わる人が増え、地域活性化につながれば」と期待を寄せる。

　申し込みはウェブサイトで受け付ける。参加費は10万円～。締め切りは5月6日。