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安曇野に「ドッグステイハウスDog's」 犬と人の共生考えた「老犬ホーム」

宮脇さんに抱かれているのは預かり犬で、隣は秋田犬の寧々

宮脇さんに抱かれているのは預かり犬で、隣は秋田犬の寧々

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 年を取ったり病気をしたりして介護が必要になった犬を預かる「ドッグステイハウスDog's」(安曇野市三郷温、TEL 0263-31-3097)がオープンして1カ月が過ぎた。

広々とした芝生のドッグラン

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 約440平方メートルの芝生のドッグランと、大型犬もゆったりと過ごせる固定ゲージ4つを備えた犬舎を設ける。犬舎は、断熱材と遮音材を入れて冷暖房を備え、24時間確認できるモニターも付けた。ほかに、ドッグバスやトリミングテーブルも用意。犬同伴のイベントなどの貸し切りにも対応する。

 預かりは、小型犬で保証金8万円、1カ月5万5,000円で、1年~生涯などの長期や、1泊からの短期も可能。店主の宮脇史さんは「老犬ホームと呼ばれる長期預かり施設は、全国的にもまだ少ない。愛犬と一緒に生活するのが難しくなったときにサポートできる場所になれば」と話す。

 宮脇さんは信州大学を卒業し、県内の小中学校に教員として勤務。3年ほど前から保護犬のボランティア活動を始めた。「子どもの頃から動物が好きだったので、いずれ動物に携わるようなことができればと考えていた」と振り返る。活動をする中で、老犬や、病気やけがで捨てられた犬が数多くいることを目の当たりにし、「犬を助けたい」という思いが強くなったという。

 秋田犬の茶々、寧々と暮らし、一昨年の夏に引っ越してきてからは自宅で預かりボランティアもしていた宮脇さん。多くの愛犬家との交流で、愛情があっても、飼う環境について問題を抱えている人が多いと痛感した。「犬と人が幸せに共生できる方法はないか」と調べるうちに、老犬ホームの存在を知り、自宅を使って開業することを決意。昨年教員を早期退職し、犬舎を建て、資格を取得するなど準備を進めてきた。

 オープンして1カ月。現在は短期での利用が多いというが、愛犬の介護で悩み、「ようやく求めていたものがあった」と訪れる人もいるという。「長く一緒に過ごしてきても介護は大変だし、つらくても誰にも話せない、分かち合えないという声も聞く。預けることで、犬も飼い主も幸せになれれば」と宮脇さん。今後は、小型犬にも対応できる犬舎など設備の充実に向け、クラウドファンディングも予定する。「困っていることを話したり、愛犬がドッグランで遊んでいるのを眺めたりするだけでも気分が変わると思うので、気軽に問い合わせてほしい」とも。

 問い合わせ対応時間は平日8時~20時。

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