今年10月に創業100年を迎える老舗銭湯「富士の湯」(松本市本庄2、TEL 0263-36-5395)が5月4日、リニューアルオープンした。
以前は入ってすぐ番台があったが、新たにロビーを設けてゆっくり過ごせるようにした。男女とも洗い場を増やし、男湯にはサウナを新設。水風呂は風呂にも使っている、通年で水温14度ほどだという湧き水を入れる。サウナの定員は9人で、3段ある席の最上段には「特等席」を1席作った。4代目の阿部憲瑞さんは「いろいろなサウナを見て、経営者に話も聞いてきた。富士の湯ならではの源泉から湧く井戸水で、『整って』ほしい」と話す。
下足箱は、木札がなくなっていたものを補充して修理。これまで入り口で使っていた曇りガラスやタイルを活用し、レトロな雰囲気を残しながら、快適に過ごせる空間を目指した。仕事帰りにも立ち寄ってもらいたいと、営業日を4日から6日に増やし、営業時間も24時まで延ばす。
富士の湯は1926(昭和元)年創業。銭湯名は中庭にある、富士山から持ってきたという大きな岩が由来になっている。
阿部さんは大学進学で上京し、一度は音楽関係の会社に就職したが、家業を継ぐことに決めた。「父からは続けるのは難しいと言われていたが、SNSでの情報発信など、自分でできることから始めた」と振り返る。2020年から「ニコニコ温泉」(静岡県)で経営を学び、さまざまな銭湯で経験を積んだ。一昨年からは東京と2拠点生活をしながら、知人や信大銭湯サークルメンバー、常連客などの力も借りて、改修を進めてきた。
今年に入り、経営を正式に引き継いだ。「時流に合わせながらも、富士の湯のアイデンティティーは大切に守り続ける。次の100年に向けて、頑張っていきたい」と阿部さん。これまで行ってきた「コーヒー風呂」などのイベントも続けていきたいとう。「お風呂に入ると嫌なことも忘れてリフレッシュできる。そういう場所にしていきたい」とも。
営業時間は15時~24時(最終受け付けは23時)。木曜定休。