展示やワークショップなどを行う工芸イベント「工芸の五月」が現在、松本市内の美術館、博物館、ギャラリーなど約40カ所で開催されている。
松本市美術館(松本市中央4)では、「木の匠(たくみ)たち展」(5月6日まで)が行われている。同展は2006(平成18)年、「木の匠たち:信州の木工家25人の工房から」(誠文堂新光社)で紹介された木工家の有志13人が中町の「蔵シック館」で開催し、その後隔年で開いてきた。今回、20周年を記念して25人による作品、約100点を展示する。
「前田木芸工房」(入山辺)の前田純一さんは初回から参加。「受注生産や公募展とは違って、見てもらいたい物や作りたい物を出せる場」と話す。今回は、厨子(ずし)や木彫像を出品。「生産性では機械に勝てない中で、いかに人間らしさを表現できるか。誰かのために作るという『人間愛』が制作の原点だとあらためて感じる」とも。
信毎メディアガーデン(中央2)では、子ども用の椅子を展示する「はぐくむ工芸 子ども椅子展」(5月6日まで)が開かれている。県内在住を中心に、木工作家ら28人が参加し、約70脚の椅子を用意する。
建築設計を中心に、家具や陶器製作も行う「器設計製作所」(上田市)の松岡啓太さんは初参加。大学を卒業して建設会社に10年ほど勤めた後、上松技術専門校に入って家具製作を学んだ。脚立のような形の黒色の椅子は、座る以外の用途も意識して制作したという。「かわいさは少し控えて、大人になっても使える物を目指した」と話す。
「工芸の五月」は今年で20回目。毎年5月を「工芸月間」として、工芸にまつわる企画を市内各所で展開している。湧き水と工芸をテーマに町歩きを楽しむ「建築家と巡る城下町みずのタイムトラベル」(16日・17日、23日・24日)や、クラフト作家の器で酒を楽しむ「ほろ酔い工芸」(23日、三代澤酒店)なども。現在、オフィシャルガイドブック(550円)を市内各施設・店舗・ウェブサイトで販売するほか、「松本ブルワリー」では「工芸の五月限定オリジナルビール」を提供している。
5月31日まで。