画家・林雅子さんの個展「余光のハルモニア」が現在、松本市の書店「栞日(しおりび)」(松本市深志3、TEL 0263-50-5967)で開催されている。
アクリルや水彩絵の具、色鉛筆などを用いた絵画とドローイング、25点を展示する。「誰も変えることができない普遍的摂理と、個の存在の痕跡を照らし合わせるようにして描いている」と林さん。山や星、石、鉱物、植物などをモチーフに、光を描いた作品が並ぶ。
結晶や川面、山並みなどを描いた作品は、円や楕円(だえん)、半円の形。少し厚みのある木板を用い、側面まで細かく描き入れたものもある。白色の台座を付けた作品は、同展に合わせて日本アルプスの山容と星空を描いたものも。「日が沈んだ後の残照、星、一つ一つの光に人の営みや過ぎ去った時間を重ねた」と話す。
「春のエチュード」と題した水彩画は、柔らかな色と線で、軽やかな雰囲気。同展の初日に行われた「みどり」の演奏会のメインビジュアルとして手がけた作品もある。水彩のドローイングは、「言葉になる前のものを、写し取るようにして残したい」と2019年ごろから日常的に描いているといい、「Unsent letter」と名付けている。
林さんは岡山県生まれ。2002(平成14)年、早稲田大学人間科学部人間基礎科学科卒業後、国内外の個展やグループ展などで作品を発表。現在は鳥取県で制作活動を行っている。元々は風景画を描いていたが、10年ほど前から、一部を取り出して拡大すると全体とよく似た形が現れる「フラクタル構造」をテーマにした作品に取り組むようになった。「数学的、科学的なものにも興味があり、最初は絵を描くこととは別だったが、どちらもらせん状に上がって一致してきた感じがある」と振り返る。
県内では初の展示。松本を訪れるのも初めてで、「山をモチーフにしたものが町のあちこちにあって楽しい」と笑顔を見せる。冬の星座と大山を描いた有田焼のカップやポストカードなどのグッズも用意。「自然の光の中に、心の中にある大事な思い出を見いだすような時間を過ごしてもらえれば」と呼びかける。
作品は一部販売する。価格は9,900円~。営業時間は7時~20時。水曜定休。6月21日まで。