
ファミベジファーム(千葉県柏市及び我孫子市) ※イメージ
株式会社ベジモ(本社:長野県北佐久郡御代田町塩野1547-7、代表取締役:小林寛利/以下、ベジモ)は、企業における障がい者雇用の新たな選択肢として、自然栽培を基盤とした農福連携事業の支援を本格的に展開してまいります。
その取り組みの一環として、株式会社ファミリーマート(以下、ファミリーマート)とともに、千葉県柏市および我孫子市の市境に新農場「ファミベジファーム」(ベジモ柏我孫子)を開設しました。ベジモは、圃場探し、地域との連携、農場・設備設計、研修、農場運営、栽培および販売に至るまで、農福連携事業における新農場の立ち上げから継続的な運営まで、幅広い役割を担っています。
ファミベジファームは、障がいのある社員の新たな活躍の場として、2026年7月6日(月)に稼働を開始しました。同農場では、農薬・化学肥料を使用せず、種子消毒も行わない自然栽培に取り組んでいます。2026年8月25日(火)には、同農場で収穫された野菜が、ファミリーマート田町本社で開催された「障がいの理解と社員交流会」において、初めて社内販売されました。
■企業の障がい者雇用に、持続可能な農業という新たな選択肢を
企業における障がい者雇用では、雇用人数の確保だけでなく、一人ひとりの特性と実際の業務とのミスマッチを防ぎ、継続的に働くことができる環境を整えることが重要です。
ベジモは、農業、とりわけ自然栽培の現場には、作業の分解や役割分担を通じて、さまざまな得意分野を持つ人が参加できる可能性があると考えています。
また、本取り組みは、農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」が掲げる、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立という方向性にも呼応するものです。
化学肥料や農薬への依存を抑えた自然栽培を実践しながら、地域の農地を活用し、障がいのある方の働く場を創出することで、環境負荷の低減、農業の担い手確保、地域共生の実現を同時に目指します。
種まき、育苗、植え付け、草管理、収穫、選別、袋詰め、出荷、販売など、農場には多様な仕事があります。個々の体力や経験、得意・不得意に応じて担当する業務を組み合わせることで、本人が役割を実感しながら働ける環境をつくることができます。
また、育てた野菜をお客さまに届け、「おいしかった」「ありがとう」という声を直接受け取ることは、働く人にとって大きな達成感や自信につながります。
■企業の本業とのシナジーを生み出す農福連携
農福連携は、障がいのある方の働く場を創出するだけでなく、企業の本業や商品・サービスとの新たな接点を生み出す可能性があります。
農場で生産された野菜を、社内販売や福利厚生に活用するだけでなく、企業の商品開発、店舗での販売、社内外のイベント、地域との共創プロジェクトなどにつなげることで、障がい者雇用の成果を事業価値として広げることができます。
ファミベジファームにおいても、将来的には、ファミリーマートとベジモが連携し、農場で生産された野菜を活用した加工品や商品等の開発について、検討を進めていきます。
生産、加工、販売という一連の流れに障がいのある社員が関わることで、農場での仕事をより多様化するとともに、働く人の成果が消費者に届く仕組みづくりを目指します。
これは、障がい者雇用を企業の社会貢献活動にとどめず、商品・サービスの価値向上、従業員の共感醸成、地域との接点づくりにもつなげていく取り組みです。
■ファミベジファームにおけるベジモの役割
ファミベジファームでは、ベジモがこれまで自然栽培と農福連携の現場で培ってきた知見を生かし、企業の農場立ち上げから農業指導までを一貫して支援しています。
1.圃場探し・地域との連携
事業の目的や雇用人数、必要な作業内容、通勤条件などを踏まえ、農場に適した圃場を探します。さらに、土地所有者、地域の農業関係者、自治体、周辺住民などとの調整を行い、企業の農福連携事業が地域に根づくための関係づくりを支援します。
2.農場・設備の設計
働く人の安全性や作業のしやすさを考慮し、農場の動線、休憩場所、農具・資材の配置、作業スペースなどを設計します。障がいのある社員が安心して働くためには、作業者への配慮だけでなく、現場そのものを働きやすく整えることが欠かせません。ベジモは、農業の生産性と働きやすさの両立を目指した設備・環境づくりを行います。
3.研修
企業の担当者や農場スタッフを対象に、自然栽培の考え方、栽培技術、農作業の安全管理、作業の組み立て方などに関する研修を実施します。単に農作業を教えるのではなく、参加する一人ひとりが自分の役割を理解し、互いに補い合えるチームづくりを重視します。
4.農場運営・栽培支援
作付け計画、栽培計画、作業スケジュール、収穫時期の管理、品質管理など、農場運営に必要な業務を支援します。自然栽培では、農薬や化学肥料に頼らず、土壌や作物、草、虫などを含む生態系全体を観察しながら栽培を行います。作業を通じて自然の変化に気づき、働く人自身の経験や成長につながる農場づくりを進めます。
5.収穫物の販売・流通支援
収穫された野菜を、社内販売、地域販売、飲食店、一般消費者などの販路へつなげます。生産して終わりではなく、販売を通じて働く人の成果を見える形にし、事業として継続する仕組みをつくることを重視します。
■自然栽培を通じて「地球にも、人にも、社会にもいい」農業へ
ベジモは、自然栽培が持つ価値を「地球にいい」「身体にいい」「社会にいい」という3つの視点で捉えています。
自然栽培は、化学肥料や農薬に頼らず、土壌中の微生物や草、虫などを含む自然本来の力を生かして作物を育てる農法です。環境への負荷を抑えながら、食べる人に安心とおいしさを届けるだけでなく、つくる人にとっても心身にやさしい農業を目指すことができます。
ベジモは創業当初から、障がい者雇用や福祉事業所との農福連携に取り組んできました。2010年から障がい者雇用を実施し、2013年には就労継続支援B型事業所の運営を開始するなど、農業と福祉を結びつける実践を積み重ねています。
自然栽培の畑では、草や虫、土の中の微生物にも、それぞれの役割があります。ベジモはこの自然のあり方を、人が働く社会の姿にも重ねています。
障がいの有無にかかわらず、誰にでも得意なこと、不得意なことがあります。一人ひとりの個性や役割を尊重し、互いに補い合うことで、誰もが働く喜びや自分の価値を実感できる社会を目指します。
■自然栽培の研究と、農業の担い手育成
ベジモは、大学や企業と共同で、再現性のある自然栽培の確立に向けた研究にも取り組んでいます。自然栽培を経験や勘だけに依存する農法にとどめず、誰もが学び、実践し、継続できる農業技術として体系化することを目指しています。
また、有機農業・自然栽培を学ぶ「ベジモ有機農業スクール」を16年間運営し、これまでに700名以上の卒業生を輩出してきました。2026年度は全国4校で合計93名の受講生が学んでおり、新規就農を目指す人材の育成にも積極的に取り組んでいます。
研究、教育、農場運営の実践を通じて培った知見を、企業の障がい者雇用や農福連携の現場に生かし、多様な人が継続的に働ける農場づくりを支援していきます。
■ベジモが企業向けに展開する農福連携支援
今回のファミベジファームでの取り組みも含め、ベジモは今後、企業の障がい者雇用および農福連携事業に対する支援を、全国各地で展開していきたいと考えています。
企業の状況に応じて、以下のような支援を提供します。
● 障がい者雇用に向けた農業事業の企画立案
● 農場候補地・圃場の選定
● 地域、自治体、農業関係者との連携支援
● 圃場・農場設備の設計および導入支援
● 栽培品目・作付け計画の策定
● 農業技術および自然栽培に関する研修
● 障がい特性に配慮した作業設計
● 農場スタッフ・現場管理者の育成
● 日々の農場運営および栽培支援
● 収穫物の選別、加工、出荷、販売支援
● 社内販売・地域販売を含む販路開拓
● 継続的な雇用と事業運営に向けた伴走支援
農場をつくること自体が目的ではありません。働く人の特性や希望、企業の雇用方針、地域の課題、農業の収益性を一つひとつ確認しながら、長く続く農福連携の仕組みをつくることが、ベジモの役割です。
株式会社ベジモ 代表取締役 小林寛利 コメント
ベジモは、自然栽培の畑には、野菜を育てるだけではない多くの価値があると考えています。
畑には、働く場所、人と人が出会う場所、心と身体を整える場所、地域がつながる場所としての可能性があります。
ファミベジファームでは、ファミリーマートの農福連携事業に対し、圃場探しから地域との調整、設備設計、研修、運営、栽培、販売まで、事業の立ち上げと継続を支援しています。
障がいのある方が、自分の得意なことを生かし、働く喜びや社会とのつながりを感じられること。そして企業にとっても、雇用が一時的な取り組みではなく、働きがいと事業価値の両方につながること。その実現を、自然栽培の畑から広げていきたいと考えています。
■今後の展望
ベジモは、企業、福祉事業所、自治体、地域の農業関係者、医療・介護機関などとの連携を深め、農福連携を地域課題の解決につなげていきます。
企業の障がい者雇用においては、「雇用率を達成すること」にとどまらず、一人ひとりが自分の役割を持ち、継続的に働き、成長や達成感を得られる環境づくりが求められています。
ベジモは、自然栽培と農福連携を組み合わせることで、企業の雇用課題、農業の担い手不足、地域のつながりの希薄化といった社会課題に同時に向き合います。
「自然栽培を、誰もが参加できる仕事へ。」
この考えのもと、ベジモは、地球にも、人にも、社会にもやさしい農業の可能性を全国へ広げてまいります。
株式会社ベジモについて
ベジモグループは、2008年の創業以来、自然栽培を軸に、野菜の生産・販売、障がい者雇用、福祉事業所との農福連携などに取り組んでいます。
自然栽培の畑が持つ環境面、健康面、福祉面、地域面の価値を生かし、農業と福祉、医療、企業、地域をつなぐ事業を展開しています。
会社概要
