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松本の書店で絵本「雨犬」版画展 雨好きな犬と青年、優しく静かな日々を描く

「絵本の世界がそのままここにあるように感じた」と中川さん

「絵本の世界がそのままここにあるように感じた」と中川さん

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 絵本「雨犬」の版画展「A RAIN DOG TOUR 2023」が現在、松本・元町の書店「本・中川」(松本市元町1、TEL 0263-33-8501)で開催されている。

中川さんは「版画の雰囲気とアンティークの額装がすごく合っている」と話す

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 同作は雨の日に出会った1匹の老犬「雨犬」と1人の若いペンキ職人の暮らしをつづった物語。音楽プロデューサーやアーティストとして活動している外間隆史さんが文を、版画家の柳本史さんが絵を手がけた。

 額装した44点の木版画を出品する。白と黒をメインに暗いオレンジや赤も使い、犬が雨に打たれたり、水たまりに映る自分の姿を見つめていたりする姿や青年が犬を抱き上げている様子を表現した。店主の中川美里さんは「明るいストーリーではないが、落ち着いた色の中にあるオレンジ色から優しさや温かさを感じる」と話す。額装は柳本さんの夫・直さんが行い、店内の雰囲気に合わせてアンティークの額やガラス、額装用マット紙を選んだという。ほかに、同店のために制作したポスターも展示する。

 柳本さんは大阪府出身。大学では彫刻を学び、卒業後は版画家、陶芸家として活動。現在は東京を中心に各地で個展を開催している。「柳本さん自身も動物が好きで犬や猫、アヒルと暮らしている。だからこそ表現できるものがあるのではないか」と中川さん。

 共作のきっかけは、昨年東京で開催した柳本さんの個展を外間さんが見たことだったという。今年1月から刊行記念として巡回展がスタート。これまで東京2カ所、徳島、大阪、岩手を回ってきた。同店は初回会場となった東京のギャラリーと親交があり、「作品の雰囲気が合うのではないか」と連絡をもらったという。ちょうど梅雨の時期にギャラリースペースが空いていたため、開催することにした。

 動物を飼っている人の来店も多く、それぞれの話を聞かせてくれることもあるという。中川さんは「話を知っている人はもちろん、知らない人でも楽しめると思う。版画の前で本も一緒に読んでもらえたら」と笑顔を見せる。

 作品は全て販売する。価格は、版画=3万3,000円~、絵本「雨犬」=2,500円、ポスター=2,500円、ポストカード=220円など。営業時間は12時~18時(金曜・土曜は19時まで)。月曜・火曜定休。7月17日まで。

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