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まつもと市民芸術館「芸術監督団」に木ノ下裕一さん、倉田翠さん、石丸幹二さん

(写真左から)倉田翠さん、木ノ下裕一さん、石丸幹二さん

(写真左から)倉田翠さん、木ノ下裕一さん、石丸幹二さん

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 まつもと市民芸術館(松本市深志3)の「芸術監督団」に来年度、「木ノ下歌舞伎」主宰の木ノ下裕一さん、演出家・振付家・ダンサーの倉田翠さん、俳優で歌手の石丸幹二さんの3人が就任する。6月28日、同館が発表した。

答申書を示しながら話す団長の木ノ下さん

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 3人は、3月に総監督を退任した串田和美さんの後任として就任。団長を務める木ノ下さんは1985(昭和60)年、和歌山県生まれ。「信州・まつもと大歌舞伎」では台本の再編集や関連企画の上演のほか、「歌舞伎ナビ」では講師として作品の解説を行っている。「akakilike(アカキライク)」主宰の倉田さんは1987(昭和62)年、三重県生まれ。京都を拠点に活動しながら、プロのダンサーや俳優だけではなく、舞台経験のない市民や薬物依存回復施設の入所者などと共に作品を作り上げている。ゼネラルアートアドバイザーとなる石丸さんは、同館とサイトウ・キネン・フェスティバル松本(現:セイジ・オザワ松本フェスティバル)が共同制作した音楽劇「兵士の物語」や、串田さんが構成・演出を手がけた舞台「空中キャバレー」に出演している。

 串田さんの後任を選ぶ市の検討委員会が4月、新たな芸術監督の役割や候補者名を入れた答申書を臥雲義尚市長に提出。演劇部門と舞踏部門の芸術監督と、その他の芸術活動を支えるアドバイザーという3人体制の芸術監督団を提案していた。

 6月28日には、同館で記者発表を行った。臥雲市長は「松本になじみのある人、次世代に向け発信できる人。専門分野のクロスオーバーが起きることを期待する」とし、本年度中は同館の参与として、来年度の就任に向けて準備を進めると紹介した。

 木下さんは、答申書をもとに「ひらいていく劇場」というキーワードを挙げた。同音異義の5つの漢字を用いて、「開く=市民に対してオープンに」「拓(ひら)く=新領域や新しい表現への挑戦、サポート」「平(ひら)く=障がいや年齢を問わず誰もが楽しめる」「啓(ひら)く=学ぶ場を設けて作品への理解を深める」「披(ひら)く=松本発、外に飛び出す」と説明。以前訪れた際に出会った、同館のことを誇りに思いつつも、自身は足を運んだことがないという市民のエピソードを交えながら、「『私もよく行く』と言ってもらえるようにしていきたい」と意気込んだ。

 倉田さんは、松本へは小学生の頃に訪れたといい、「これまでさまざまな『知らない世界』に飛び込んできて、知らないことも大事だと思っている。町を知るためにはまずは人。仲良くしてもらえればうれしい」と笑顔を見せた。石丸さんは、「20年やってきた串田さんの後を誰が継ぐのかと思っていたので、お話をいただいたときには驚いた。これまで取り組んできたことで、市民が望んでいるものは続けていくこともあると思う。いろいろな可能性を探っていきたい」と話した。

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