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松本「栞日」が水筒やタンブラー無料貸し出し 不要品を「町の共有財産」に

「町のあちこちでこのステッカーが見られるようになれば」と菊地さん(左)と鮎沢さん

「町のあちこちでこのステッカーが見られるようになれば」と菊地さん(左)と鮎沢さん

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 書店や銭湯を営む「栞日(しおりび)」(松本市深志3、TEL 0263-87-5733)が、使わない水筒やタンブラーを回収して無料で貸し出す取り組み「WALK with BOTTLE」を始めた。

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 使われなくなった水筒やタンブラーを回収して書店「栞日」に置き、ドリンクのテイクアウトに利用できるようにする。デポジットなど費用は不要。持ち帰ったボトルは、その後マイボトルとして使うことも可能で、返却期限は設けない。同社の菊地希美さんは「デポジット制は大変なので、いつ返すかは、使う人に委ねてみることにした。集まったボトルを共有財産として活用できれば」と話す。

 同社では、「栞日にできること」というテーマを掲げて、さまざまな取り組みを展開。ごみの減量はその中の一つで、店で出るごみの分別の強化や、マイボトル持参の呼びかけなどを行っている。

 多くの人が訪れる5月末の「クラフトフェアまつもと」に合わせて、昨年からテイクアウト用カップなど持ち帰り用の資材を有料とし、再生紙を活用したスタンプカード「our small step」を導入。「以前はマイボトル持参で値引きをしていたが『お得感』ではなく、その行動に感謝したいと考えた」と菊地さん。しかし、実際は有料でもカップなどを使う人が多かったという。

 今年は「一歩前進できる取り組み」を模索。マイボトルを持参する常連客から「家にいくつもある」と聞いていたことから、余っているものを集めることにした。同社の鮎沢日菜子さんは「試行錯誤してうまくいかず、がっかりすることもあるが、諦めずに小さなステップを重ねていきたい。まずは、集まったことが一つの成果だと思う」と笑顔を見せる。

 ボトルには、「クラフトフェアまつもと」のスタッフで、今年のDMのイラストを手がけたshichimiさんがデザインしたステッカーを貼った。マイボトル用に透明なタイプも用意して販売する。「ペットボトルにステッカーを貼って『菊の湯』に持参し、入浴中に水分補給をしている人もいる」と鮎沢さん。近隣のスターバックスが店内のボードで紹介してくれるなど、取り組みを知り、賛同してくれるところもあるという。県内に設置されている無料アクアスポット「swee(スウィー)」や、市内の湧水群などもあり、菊地さんは「コラボやリンクなどしながら、『マイボトルで出かける』輪を、町全体で広げていければ」と意気込む。

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