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浅間温泉の老舗施設に日本料理店「草創庵」-食材と雰囲気にこだわり

店内からは樹齢400年の松のある庭を眺めることができる

店内からは樹齢400年の松のある庭を眺めることができる

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 松本・浅間温泉の「枇杷(びわ)の湯」(松本市浅間温泉3)内に8月11日、日本料理店「草創庵(そうそうあん)」(TEL 0263-87-6732)がオープンした。

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 店舗面積は約60坪。席数はテーブルと座敷で40席。1594年に松本城主専用の風呂場として創業した「枇杷の湯」の、使われなくなった宿泊棟の1階部分を改装。テーブルや椅子は木曽の職人に依頼し、木枠のガラス戸などは約90年前に建て替えられた当時のものをそのまま使う。調理場は、風呂場だった空間を全面改装した。座席からは、樹齢400年の松や樹齢350年のサルスベリなどが植えられた庭を眺めることができる。

 昼メニューは、「手打ちざるそば」(1,200円)や「天丼」(1,600円)などをはじめ、箱入りの「御膳」を用意する。「殿様御膳」(3,500円)は、3段6枠の岡持ち風木箱に、造りや煮物、揚げ物などが入る。予約で「昼食懐石」(5,000円~)も。夜は予約のみで、懐石料理(6,500円~)を提供。祝い料理や法事料理にも対応する。

 「信州の食、伝統食、行事食を大切にしたい」と話す店主の草間民安さん(56)。食材は地産地消を目指し、現在は県内産の鶏肉や野菜、信州サーモンを使う。県内産のそば粉を使ったそばは、毎朝草間さんが手打ち。化学調味料は一切使わないというこだわりも見せる。

 同じ浅間温泉内にある「ホテル玉之湯」で、22年間にわたり総料理長を務めたという草間さん。ずっと自分の店を持ちたいという夢を抱き、2年前から物件を探していたところ、今回の話が持ち上がった。「自然のある静かな場所を探していたので、イメージにぴったりだった」と草間さん。「人の手で作られたものでなく、長い年月をかけてできあがった庭は、特に素晴らしいと思った」。「枇杷の湯」側の「宿泊棟を何とかしたい」という思いと重なり、オープンに至った。

 「お客さまの声がじかに聞け、自分が気に入った庭を楽しんでもらい、『ゆっくり食事できた』と喜んでもらえる。こんなにうれしいことはない」と笑顔を見せる草間さん。「お風呂でゆっくりしていただき、静かな雰囲気の中で信州の食を味わってもらいたい。(風呂の利用がなくても)食事だけでも大丈夫なので、ぜひ」とも。

 営業時間は11時~15時、17時~21時。月曜定休。

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