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松本の「村山人形店」が新事業でアイス作り 「生産者と消費者つなげたい」

「アイスを通じて生産者と地域の人たちを結ぶ存在になりたい」と村山さん

「アイスを通じて生産者と地域の人たちを結ぶ存在になりたい」と村山さん

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 松本・高砂通りの「村山人形店」(松本市中央2、TEL 0263-32-1770)が現在、地元の果物や野菜を使ったアイスクリームを販売している。

村山さんが作るアイスとソルベ

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 店主の村山謙介さんが新たな事業として挑戦。アイスや、乳製品不使用のソルベを作る。材料は、市近郊や安曇野市の生産者から仕入れる、規格外や完熟、自家用の青果物。イチゴやブドウ、梅、ホワイトアスパラガス、サンショウなどさまざまな食材を、同店に設けた製造室で加工する。村山さんは「ソルベは、高果汁で滑らかな口当たりに仕上げた。野菜は牛乳と合わせるとポタージュのようになる」と話す。

 同店は1946(昭和21)年に創業。2005(平成17)年、村山さんが3代目として引き継いだ。当初から、少子化によって節句人形のマーケットが縮小すると考え、新事業の立ち上げを模索。本業の繁忙期である冬にかぶらない、夏の事業としてアイスクリームに目を付けた。

 事業再構築を支援する国の助成金を活用して、倉庫を改装。必要な機械をそろえ、昨年1月に着手した。商店街や地域の活動を通じて近郊の農家ともつながりがあった村山さん。贈答用の果物を生産する農家が多く、規格外が出やすいことを知り、流通できない果物を積極的に使うことにした。「味は変わらないのに破棄されてしまう果物を消費者に届けたいと思った」と話す。

 昨年9月、実験的に店頭で販売を開始。SNSのみで宣伝を行い、アイスを食べた人の反応を見ながら、試作を続けた。市内の飲食店などに卸したり、今年5月に開催されたクラフトフェアに初出店したりと、販売の場を広げてきた。「季節に合わせ、その時にしか食べることができない素材の味を生かしたい。アイスを通じて生産者と地域の人たちを結ぶ存在になりたい」と笑顔を見せる。

 80ミリリットル入りで、価格は500円。店頭での販売は看板を出して知らせるほか、インスタグラムで発信する。

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