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松本城近くにパン店「マルトウ」 曽祖父の代からの商い、店名や店舗受け継ぎ

古いものを活用したり、家族が作ったりしたアイテムが詰まった店内

古いものを活用したり、家族が作ったりしたアイテムが詰まった店内

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 パン店「ベーカリーMARUTOU(マルトウ)」(松本市大手3、TEL 0263-30-8044)が松本城近くに3月26日、オープンした。

店舗外観。看板なども家族が手掛けた

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 店主の東さよりさんが、祖母と母が営んでいた「小柳ドレス」の店舗を活用して開業した。店内は、裁断机として使っていたものをレジカウンターに、蓄音機をトレーやトングを置く台にするなど、古いものを生かしたレトロな雰囲気。パンは、和菓子店から譲り受けたという木製の餅番重(ばんじゅう)やワイヤー籠に入れて陳列する。

 パンは20種類ほどを提供。「信州MISO」(400円)は、ホシノ天然酵母と県内産の全粒粉、ライ麦を使い、市内の老舗みそ店「萬年屋」(城東2)の「二年みそ」を練り込んだ。「ハード系だが、酸味が少なく食べやすい。ホシノ天然酵母がお米由来ということもあり、いろいろなものに合わせやすいと思う」と東さん。

 種類によって酵母の配合を変え、クロワッサン(250円)、食パン(500円、ハーフ250円)、カンパーニュ(600円、ハーフ300円)なども用意。和の食材と合わせた「めんたいこ」「抹茶あんバタ」(以上300円)、「柚子(ゆず)あんクリチ」(350円)などもある。

 東さんは、ハローワークの職業訓練コースで製パンを学び、市内のパン店などに勤務。「いずれは店を持てればいいなと思っていた」と振り返る。店名は、曽祖父が中町で営んでいた「丸東金物店」から付けた。「当時使っていたという丸の中に『十』を入れたロゴを見た時に、パンのクープ(切り込み)みたいだと思い、店を始めるならこの名前にしようと決めていた」。

 前日の仕込み作業から全てを東さん1人で行っているため、営業中に追加で焼くことができず、現在は昼過ぎに売り切れる日もあるという。「実際に始めてみると、気温によって発酵具合も日によって違うので、予想以上に大変。それでもお客さんとやり取りできることが楽しい」と東さんは笑顔を見せる。

 営業時間は10時~17時(売り切れ次第終了)。月曜定休。

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