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松本に「石窯パンハル」 上田に続き2店舗目、「カンパーニュ文化」根付かせたい

自慢のカンパーニュを手に「このおいしさが伝わるはずと思って出店を決めた」と春野さん

自慢のカンパーニュを手に「このおいしさが伝わるはずと思って出店を決めた」と春野さん

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 パン店「石窯パン ハル 松本店」(松本市中央3、TEL 0263-88-8731)が松本・駅前大通りに1月11日、オープンした。

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 上田市の海野町商店街にある「ハル」の2号店。本店にある富士山溶岩窯で毎朝焼いているパンを提供する。

 メインの「カンパーニュ」(小=980円、小2分の1=580円)は、乳酸菌と酵母で自家培養する「サワードゥ」を種にしている。オーナーの春野仁宣さんは「もともとパンは保存食。乳酸菌のおかげで持ちがいい」と話す。県産と北海道産の小麦粉を混ぜて使っているが、ゆくゆくは全て県産にしたいという。地元のパン店や農家と共に、小麦を栽培して活用する取り組み「KOMUGI365」にも力を入れる。「今はまだ生産量が足りないが、いずれは全て県産の小麦粉を使いたい」と意気込む。

 カンパーニュに季節の食材などを混ぜ込んだ「メランジェ」は現在、ドライフルーツやチョコチップを入れた「冬のメランジェ」(ホール=1,800円、ハーフ=980円)を用意。ほかに、「全粒食パン」(450円)や自家製の粒あんを挟んだ「あんバターサンド」(380円)などもある。

 毎週日曜は、本店と同様に「ヴィーガンお菓子屋さんの日」として、店舗を持たずイベント出店を中心に行っている「Tie lykke(チーリュッケ)」「Yukiiro(ユキイロ)」「じみじみおやつ」「Slow Cafeマハロ」が週替わりで店頭に立つ。焼き菓子のほか、同店のパンも販売。「上田でもお願いしているので、安心してお任せしている。(4店にとっては)販売の機会が増えるし、自分は子どもと過ごせるし、お客さんは喜んでくれるので、まさに三方良し」と春野さん。

 春野さんは東京都出身。2003(平成15)年に脱サラして高田馬場でカフェベーカリーを始めた。転機となったのはリーマンショックと東日本大震災。「ちょうどアースデイマーケットなどに出店して、農家の皆さんと話して、少しずつ地方に興味を持ち始めた頃だった」と振り返る。東卸市にあった取引先の農家を訪れた時に上田に立ち寄り、「雰囲気も良かったので」と移住を決意。2012(平成24)年6月に「ハル」をオープンした。

 当時の主力商品はベーグルだったが、「捨てないパン屋」という本と出合い、生き方に共感。著者が経営する広島のパン店を訪れ、カンパーニュ作りを始めた。2019年秋に「石窯パン」としてリニューアル。昨年春から信毎メディアガーデンで月1回開催している「SUNDAY MARKT」に参加し、「カンパーニュが売れる」と感じて出店を決めた。「東京の通勤電車に比べたら、上田から毎日通うのは全然苦ではない。松本にカンパーニュ文化を根付かせていければ」と笑顔を見せる。

 営業時間は12時~17時(日曜は11時~15時)。月曜・第5日曜定休。

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