「クラフトフェアまつもと2026」が5月30日・31日、松本・あがたの森公園(松本市県3)で開催された。
園内各所には、陶器、木工、漆、ガラス、染織、金属、皮革、飲食も含め約260のブースが並んだ。天候にも恵まれ、多くの来場者が作家と話したり、写真を撮ったりして楽しんだ。両日、最高気温は30度前後となり、木陰で休む人や、水場で遊ぶ子どもたちの姿も見られた。
初出展の山田亜紀さんは、木彫の馬を中心に出品。中国・北宋時代の画家、李公麟の「五馬図巻」で描かれた馬をモデルにした作品は、木彫仏像の伝統的な技法、寄木と割矧造(わりはぎづくり)を用いている。骨格や表情などリアルな表現に、「すごい」と足を止める来場者も多く、「制作方法や作り手の思いにまで興味を持ってくれる人とたくさん話せて良かった」と笑顔を見せる。
山田さんは東京で生まれ、長野県茅野市に移住。父親が牧場の管理運営を行っていたこともあり、幼い頃から馬は身近な存在だったという。東京芸術大学に進んで、さまざまな素材で馬を作り続け、卒業制作では実物大の馬の木彫を手がけた。その後、修士過程では仏像修復を学び、現在は同大大学院美術研究科文化財保存学保存修復彫刻研究室で助教として指導しながら、作家活動を行っている。
2年ほど前、声をかけられて野外イベントに初めて参加。「ギャラリーでの展示は、作品を見るために足を運んでくれる人がほとんどだが、イベントは偶然の出会いが多く、反応も新鮮で楽しい」と感じたという。準備段階では、他の出展者からテントを張る位置などをアドバイスされたといい、「松本はお客さんだけではなく出展者同士の交流も盛んで、いい経験になった」と話す。
同フェアは今年で42回目。毎年、スタッフが話し合い、試行錯誤しながら運営している。実行委員の鈴木七海さんは「暑くても時々吹き抜ける風が心地よく、来場者の皆さんにも松本らしさを感じてもらえたと思う」と話す。今年はオリジナルグッズとして初めて風呂敷を制作。あがたの森をモチーフにしたイラストを描いたデザインは、鈴木さんが担当した。「購入してそのままブースに掲げてくれた方もいてうれしかった」とも。
2日間は、イオンモール松本(中央4)での「クラフトスクエア」や、「六九工藝(こうげい)祭」(六九商店街)、「工芸の庭」(松本城大手門枡形跡広場)、「御使者宿(おししゃやど)市」「五月の宵祭」(信毎メディアガーデン)など各所でイベントを展開。歩行者天国となった通りも多く、大勢の人でにぎわった。