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安曇野のギャラリーで瀬戸在住・陶芸家が個展-屋外に船の立体作品も

さまざまな形の花器

さまざまな形の花器

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 安曇野市の「ギャラリー・シュタイネ」(安曇野市穂高有明、TEL 0263-83-5164)で現在、愛知県瀬戸市で活動中の陶芸家・小澤章子さんの個展「小澤章子 陶展」が開催されている。

「シュタイネ」のある森の中に浮かぶ船をイメージした作品

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 同展では食器類や花器、オブジェなど約150点を展示。作品は、釉薬(ゆうやく)を掛けず焼き締めた少しざらついたような感触のものや、木々やわらの灰を原料として作った釉薬を掛けて焼く「灰釉(はいゆう)」という手法で制作したもの。「焼き締めは、自分の中で土の味を引き出すのに一番優れた手法だと思っている。灰釉は温度調節や焼く時間などが難しいが、溶けた灰がとてもきれいな水色になるので好んで作っている」と小澤さん。灰釉は天然の木の灰だけで作るというこだわりも持つ。

 焼き締めで作られたさまざまな大きさの皿は、表面にひびが入ったような形をしている。「ろくろで作った土台の上に、ちぎり絵のようにして板状の土を貼り合わせた」。10点以上はある花器は、筒状や岩のような形状のものなどさまざまな形を展示。球体のものはギャラリー名の「シュタイネ」がドイツ語で「石」という意味から、石ころをイメージして作ったという。球体に入れた割れ目に植物を生けられるようになっており「(シュタイネのある)森から何かが始まるイメージで作った」

 オブジェは針金で立体的に作られたフレームの中に、焼き締めで作った陶器やさびた鉄板などを組み合わせたりピアノ線でつったりしたもの。「ただ壁に飾るだけでなく、より絵画的なものに見せたかった。展示した場所のライティングによってフレームの影の出方が変わってくるので、面白い効果が出る」

 屋外には、同展のために制作したという船のオブジェも並ぶ。ガラス板の上に置かれた何艘(そう)もの船は、「森の中に浮かぶ船」をイメージして制作したという。「小澤さんと『ガラス板や船に水がたまったら、また違う見え方になるかも』という話になった。ちょうど2~3日前に雨が降り、作品の質感や雰囲気が変わった姿を見ることができた」と同ギャラリーオーナー。

 「焼き物は、火や土など自然と大きな関わりを持って成り立つ。自然と人とのつながりを感じてもらえたら」と小澤さん。「展示する場所の良さや由来などを生かした作品は、これからも作り続けていきたい」とも。

 作品は全て販売する。皿=1,050円~、花器=4,200円~、オブジェ=1万4,700円~など。営業時間は10時~18時(最終日は16時まで)。木曜定休。入場無料。9月30日まで。

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