松本の風物詩「三九郎」-入山辺では15メートルの巨大なものも

炎を上げて燃える入山辺の巨大三九郎

炎を上げて燃える入山辺の巨大三九郎

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 正月明けの風物詩「三九郎(さんくろう)」が1月7日・8日、松本市内各地域で行われた。

火がつく前の三九郎

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 三九郎は小正月に行われる火祭りのこと。しめ縄・松飾り・だるまなどを集めて三角すいの形に積み上げたものを燃やす。「年神様を送り返す」意味があるとされ、地域によっては「どんど焼き」「左義長(さぎちょう)」とも呼ばれる。三九郎の呼称については諸説あるが、300年以上前からの伝統行事で、市内400カ所以上で建てられる。市内の女鳥羽川や薄川沿いにはこの時期、各地域の三九郎が河川敷に作られ、町行く人の目を引いている。

 8日、松本・入山辺の徳運寺では同寺の火祭りに合わせて高さ15メートルほどの巨大三九郎が燃やされた。三九郎は入山辺の住民でつくる「二十日会」が11月半ばから週1回ほど集まって作ったもの。カラマツを組んでカヤをふいてヒノキの枝をかぶせ、高いところはクレーン車を使って完成させた。

 20時過ぎ、住職が火をともした赤いろうそくを手に同寺の前へ。太鼓やドラが鳴る中、4人が火を受け取り、田の真ん中に建てられた三九郎へ火を運ぶ。点火すると三九郎はしばらくモクモクと煙を上げた後、勢いよく炎を上げて燃え始めた。無病息災を願って焼いて食べる「繭玉(まゆだま)」を手にした子どもたちの姿も。辺り一面を明るく照らしながら火の粉を上げて激しく燃える三九郎を、見物人が歓声を上げて見守った。

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