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松本市立博物館で「浮世絵」展 江戸時代の庶民がつくり上げた「大衆文化」体験

擬人化されたユーモラスな姿の動物が描かれた作品も

擬人化されたユーモラスな姿の動物が描かれた作品も

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 特別展「至極の大衆文化 浮世絵-酒井コレクション-」が現在、松本市立博物館(松本市大手3、TEL 0263-32-0133)で開催されている。

「浮世絵に描かれた日用品」のコーナー

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 日本浮世絵博物館(島立)が収蔵する浮世絵の日本三大コレクションの一つとされる「酒井コレクション」の中から、前期(2月4日まで)、後期(2月10日~3月3日)で入れ替えを行い、合わせて約90点を展示。現在は芸術作品として評価されている浮世絵に、江戸時代の庶民の目線で親しんでもらおうと企画した。

 7章構成で、名品をはじめ、大衆文化になったきっかけから、衰退、芸術性を重視した動きまでを紹介。庶民の暮らしやファッション、猫やキツネなどの動物を題材にした作品もある。浮世絵に描かれた日用品と実物を見比べることができるコーナーでは、女性が髪に飾るべっ甲でできたくしやかんざしのほか、あんどん、懐紙などを並べる。

 鑑賞するだけではなく「遊ぶ」浮世絵もあり、おもちゃ絵として人気があった立版古(たてばんこ)は、組み立てて再現。髪型を変えて遊べるおもちゃ絵は、手に取って楽しめるように大型のものを用意した。

 制作方法や技術について紹介するコーナーもあり、髪の毛の生え際一本一本の毛並みを表現した彫りや、凹凸を付けて髪や着物の表現をした刷りなどを解説するほか、工程を見られる動画も流す。学芸員の本間花梨さんは「浮世絵は、江戸時代の庶民が作り、育てた大衆文化。その面白さと共に、技術の高さも知ってもらえれば」と話す。

 会期中は、ギャラリートークや、浮世絵の刷りの体験、メーク講座などを開く。「見たり、触れたり、実際に体験できる場も多く用意したので、さまざまな面から浮世絵を楽しんでほしい」とも。

 開館時間は9時~17時(入場は16時30分まで)。入場料は、大人=1,000円、大学生、70歳以上の松本市民=600円、高校生以下無料。火曜、2月5日~9日休館。3月3日まで。

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