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松本で守田詠美さん個展 「クラフトとプロダクト」感じる洋白のカトラリー

定番もマイナーチェンジを重ねている。「展示することで新たに気付くこともある」と守田さん

定番もマイナーチェンジを重ねている。「展示することで新たに気付くこともある」と守田さん

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 松本市在住の金工作家・守田詠美さんによる個展「洋白のカトラリー」が現在、松本のギャラリー「ギャルリ灰月(かいげつ)」(松本市中央2、TEL 0263-38-0022)で開催されている。

新作のバターナイフ

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 銅を主とした合金の洋白を使ったカトラリー32種をメインに、約180点を展示する。大小さまざまなスプーンやフォークのほか、レンゲやバターナイフ、ケーキサーバー、トレイやプレートなども。同ギャラリーオリジナルの、柄の部分に細かい凹凸を施した梨地仕上げのアイテムも用意する。

 新作のバターナイフは、板を重ねて穴を開けて固定するリベット止めの持ち手が特徴。昨年のクラフトフェアまつもとに出展した際にサンプルとして置き、興味を持ってくれる人が多かったという。「リベットは重ねる板に厚みがあり、サイズもピッタリそろえなくてはいけないので大変だが、今回は気合を入れて作った」と守田さん。塩尻市在住のナイフ作家・平林秀幸さんにアドバイスをもらいながら、試行錯誤して完成させた。

 守田さんは富山県出身。富山大学芸術文化学部で金属工芸を学び、2018(平成30)年から本格的に制作活動を開始。同年の「クラフトフェアまつもと」に出展したことがきっかけで、松本に移住した。現在は、ショールーム「PICNIC」を併設した工房で制作を行っている。

 工程は全て手作業。必要なサイズに金属板を裁断し、金づちでたたいて薄く伸ばし、図面から描き起こした型紙を用いて切り出す。何度もやすりをかけた後、バーナーで熱処理をして焼きなましたり、木型に合わせてたたいたりして1本1本、形を整える。「クラフトとプロダクト、職人っぽい手仕事と工業製品、両面あるところが自分に向いているのかもしれない」と笑顔を見せる。

 同ギャラリーでは3年ほど前に常設で取り扱いを始め、今回が初の個展。同ギャラリーの滝澤充恵さんは「デザインがきれいというだけではなく、機能的にも考えられていて、実用品であることが魅力」と話す。「フルーツフォーク」や「パフェスプーン」、「頬張るデザートスプーン」など「おいしいものが浮かんでくる」というネーミングも気に入っているという。「暮らしの道具もネーミング一つで楽しくなる。日々、使う物なので手にして選んでもらえれば」とも。

 価格は、フルーツフォーク・頬張るデザートスプーン=4,500円、バターナイフ=1万5,000円、オーバルトレイ=3,000円~など。営業時間は11時~18時(金曜・土曜は19時まで)。火曜・水曜定休。10月2日まで。

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