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松本・庄内にガラス工房「リトグラス」 あづみのガラス工房卒の夫婦が開業

「ここまでのご縁を大事にしながら活動していきたい」と話す2人

「ここまでのご縁を大事にしながら活動していきたい」と話す2人

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 松本・庄内にガラス工房「RITOGLASS(リトグラス)」(松本市庄内2)がオープンして2カ月が過ぎた。

工房の一角には2人の作品も

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 ガラス作家の永木卓さん・田中恭子さんが夫婦で開業。工房内には、電気式溶解炉やグローリーホール(ダルマ)、徐冷炉、研磨加工機などを備え、さまざまな技法を用いて制作に取り組む。「2人とも作りたいものに合わせて技法を選ぶタイプなので、そろえる機械や工具も自然と増えてしまう」と永木さん。

 2人は共に多摩美術大学卒で、田中さんが2006年、永木さんが2007年に「あづみのガラス工房」(安曇野市豊科南穂高)へ。卒業後に結婚し、永木さんが同大で助手として働くことになったため安曇野を離れたが、「人と出会い、大切にしたいつながりができたので残りたい気持ちが大きかった。いずれは戻ってこようと決めていた」と振り返る。

 2年ほど前から本格的に物件を探し始めたが、なかなかいい物件が見つからずにいたという。「少し妥協して決めようとした矢先に、ここが見つかった」と田中さん。以前は、上條箒(ほうき)製作所として松本ほうきを作っていた工房で、高齢化のために徐々に規模を縮小して作るのをやめ、空き物件になっていた。「ものづくりをしていた場所を受け継ぐことができたのはうれしい。いいご縁を頂けて良かった」

 1月に窯への火入れを行い、先月にはガラスを溶かし始め、徐々に制作準備を進めている。「今は1人ずつしか作業できないこともあるが、今後、設備を充実させていきたい」と永木さん。「個人の工房としては十分すぎる広さ。せっかくなので、このスペースを生かしたことも考えていきたい」と田中さん。ギャラリースペースを設けたり、ワークショップや教室を開いたりすることも考えているという。

 これまで個々の作家として活動してきたが、今後はそれぞれの活動も続けながら、「リトグラス」として2人でのものづくりにも取り組んでいく。「ガラスは思った通りにならないが、面白い。見て、体験してもらって、少しでも楽しさを感じてもらえる場所にしていければ」

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