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松本のギャラリーカフェで柿渋や藍の染紙使った箱展-濃淡豊かな作品110点

さまざまな作品が並ぶギャラリー内

さまざまな作品が並ぶギャラリー内

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 松本のギャラリーカフェ「Gargas(ガルガ)」(松本市深志3、TEL 0263-39-5556)で現在、紙の箱作家・Akane Bon Bonによる作品展「柿渋とブルー」が開催されている。

柿渋と藍の角トレー

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 同ギャラリーでの個展は10年ぶり3回目。「Akane Bon Bon」の名で活動する梅川茜さんは、厚紙を土台に、型染めや手書きなどで自ら色付けした紙を貼って仕上げた箱や紙の器などを制作。紙を染め始めたころから好きで使っている柿渋と藍由来の青を中心に、大小の箱やトレーなど約110点を並べる。

 「型染め丸トレー」や「丸箱」は、1ミリほどの厚紙を2枚貼り合わせて組み立て、手すき和紙に木や鳥などのモチーフを型染めした紙を上から貼って仕上げる。染料の濃さを調整することで、淡い青色から深みのある茶色までバリエーションも豊かに。「箱の用途に応じて土台となる紙の厚さや枚数、貼り合わせ位置などを工夫している」と梅川さん。「柿渋は日が経過するほどに深い色に変わって味が出る。強度を与えることもできる優れた染料」と話す。

 逆台形が特徴的で汎用(はんよう)性の高い箱シリーズ「KUFU line(くふうらいん)」は、上貼り紙に和紙や洋紙を使い、S~Lサイズを展開する。型染め紙で仕上げた作品のほか、建築材や模型などで使われるバルサ板で作ったスタンプで模様付けした作品も。「本来の用途とは違う使い方をしたり、組み合わせたりすると新しい発見があって楽しい」

 梅川さんは松本出身。フランスで習得した紙箱作りの技術をベースに、日本の伝統技術や素材を用いて制作活動を続ける。自然素材を使うことが多いのは、オーガニックにこだわっているのではなく、古くから用いられている素材や手法には信頼性や安心感があるからだという。

 「作品はほとんどが新作。きちんとした箱もあれば、思い付くままに稜線を描いて形にした一点ものの箱もある」と梅川さん。「借り物の技術や表現方法に頼らない等身大の生活道具を作ることを心掛けた。生活のどんなシーンで使ったら心地よいのかを想像しながら手に取ってもらえたらうれしい」とも。

 作品は、一部パネル作品を除き全て販売する。角トレー=3,024円、屋根つき丸箱=5,076円、裁縫箱=5,832円など。営業時間は11時~20時。火曜、第1・第3月曜定休。11月30日まで。

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