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松本市内でホタル舞う-「ホタルも住める環境作り」各地で取り組み

2日に行われた勉強会と報告会の様子

2日に行われた勉強会と報告会の様子

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 松本市内ではホタルの幻想的な光を楽しめる季節を迎え、「ホタルが住める環境作り」を進めるグループが、各地で観察会を企画している。

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 松本青年会議所では、2005年から継続的に取り組んでいる美化緑化活動「エコリンピック」の一環として「ホタルプロジェクト」をスタート。今年3月からホタルを放す候補地の調査を行い、四柱神社周辺に決定。土の入れ替えや植栽、餌となるカワニナの放流などを行い、4月下旬にはヘイケボタルの幼虫200匹を放した。「ただホタルを放つだけではなく、生態系を考慮し、ホタルを通じた環境作りを進めていくことが大事」と同プロジェクトを主導するデザインアカデミー委員会の原隆副委員長。ホタルが舞う自然環境の保全・再生活動を進める「NPOホタルの会」(東京都)や信州大学のボランティアサークル「VOLNET」などと協力し、辰野町や市内で同様の活動を行っている人たちにも助言を求め、活動を進めてきた。

 7月2日には、商工会館(松本市中央1)でホタルの勉強会と取り組みの報告会が行われた。北九州市の事例やホタルの生態、これまでの経過と今後の取り組みについて紹介。4月に放った幼虫が育ち、現在、数匹が出現していることが報告されると、会場からは大きな拍手が起こった。「松本の街中には湧水群もあり、恵まれた環境だと思う。ホタルの美しさに触れることで、環境に対する意識が芽生えれば」と原副委員長は話す。

 庄内の大型ショッピングセンター「コモ庄内」(出川1)の北東側にある「多自然水路」でもホタルが舞い始めている。「6月20日から観測を始めたが、(昨年同様)今年も数が多い」と「庄内ほたると水辺の会」の上條慶子さん。2003年夏から現地調査を開始し、その後、勉強会や観察会などを重ねてきた。付近の小学校に呼び掛けるなど子どもたちを交えての活動を続けている。30日には学習会と観察会を実施。初の試みとして行われた「ホタルのおはなし会」には子どもたちが集まり、観察会には60人以上が参加した。

 「ホタルが住める場所を作るのではなく、『ホタルも住めるような自然を復元する』ことが目標」と上條さん。「ただホタルを見るだけではなく、地域のホタル生息地に興味を持ち、正しい知識を得られる場でありたい」とも。

 庄内の「多自然水路」の観察会は7日、14日の19時30分~。四柱神社では16日18時~、同NPOの友石安彦理事長らを招いて学習会と観賞会を予定する。

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