「松本がもし100人の村だったら」-市民グループが絵本発売

絵本「松本がもし100人の村だったら」。絵は市の保育園や児童センター、障害者支援施設コムハウス利用者などが協力した。

絵本「松本がもし100人の村だったら」。絵は市の保育園や児童センター、障害者支援施設コムハウス利用者などが協力した。

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 松本市の市民グループ「放課後の子どもたち学習会実行委員会」が編集委員会を組織して絵本「松本がもし100人の村だったら」を製作し、1月24日から販売する。

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 同書は2001年に発売されベストセラーになった「世界がもし100人の村だったら」(池田香代子再話、C.ダグラス・ラミス対訳)の松本版。松本市の人口を100人に縮めたと仮定して、さまざまなものの割合をわかりやすく表している。女性51人、男性49人といった男女比や、お年寄り21人、子ども15人、外国籍の人2人、障害者手帳を持っている人5人といった数字が並ぶ。

 ほかにも「100軒の村だったら」と農家の数や家畜の数、「小学生が100人だったら」と学童保育に行っている子どもの数や就学援助金をもらっている子どもの数、ゴミの排出量といった環境問題など、さまざまな面から松本市の現状を浮き上がらせている。また、自家用車の所有についても触れ「バスに乗る人は1日に8人です」と路線バスの経営や「100年前にこの村は出来ました。そのときは7人でした。そのあと、何度も近くの村と一緒になって、今のような大きな村になりました。また、となり村と一緒になるかどうかを考えているところです」という合併問題など、最近取りざたされている話題も盛り込んだ。

 同委員会は1999年に発足。子どもの実態調査やドキュメンタリー映画の上映会などを行ったり、毎年テーマを決めて講座を開いたりしてきた。10年の節目を迎える今年度、記念になるものを作りたいと思い同書を企画。メンバー12人で「松本がもし100人の村だったら編集委員会」を作り、昨年5月ごろから準備を進めてきた。編集委員長の金澤洋一さんは「ずっと地域のあり方について考えてきた。松本市の現状と、今後についてデータをもとにまとめたものなので、一つの提言になれば」と期待を寄せる。

 「子どもにも大人にも…多くの人に見てもらえたら」と金澤さん。今後は点字版の製作なども検討している。「できあがりにはとても満足している」という反面、「環境問題、医療問題など、調べきれないこと、伝えきれないことがたくさんあるので…今後、何らかのかたちでつなげていければ」とも。

 発売日の24日には池田さんを迎えて講演会を行う。他所で類を見ない松本版に「池田さんには『出色です』とメールをいただいた。当日渡すのも楽しみ」と金澤さん。

 価格は1冊500円。購入希望者はコムハウス・金澤さん(TEL 0263-85-2234)まで。24日の講演会はMウイングで13時から。参加無料。先着100人に簡易版(モノクロ)を無料配布。同書の販売も行う。

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