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「工芸の五月2013」始まる-松本市旧司祭館で「くらし、いのり」展も

「食堂」には食器や花器が並ぶ

「食堂」には食器や花器が並ぶ

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 松本市を中心に美術館、博物館、あがたの森公園など約50カ所で展示やワークショップなどが行われる工芸イベント「工芸の五月2013」が4月29日にスタートした。

百瀬さんが当時をイメージして制作したエプロン

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 松本市旧司祭館(松本市開智2)では「くらし、いのり」展を開催。同館は1889(明治22)年にフランス人のクレマン神父により建てられ、住居として使われていたという。同展では、当時の日本やフランスから発想して作った生活用品を展示する。参加作家は大胡琴美さん、田中一光さん、金井三和さん(以上陶器)、高橋漠さん(ガラス)、田路恭子さん(木工)、百瀬陽子さん(布作品)。

 食堂として使われていた部屋には食器や花器、台所にはエプロンやグラス、浴室にはせっけん置きやネグリジェなどが並ぶ。桜の木のスープスプーンは、田路さんがヨーロッパの古いカトラリーを元に形をデザインしたもの。「オクトゴナル(八角)のスープ皿」を制作した田中さんは、フランスで最も古い窯元の一つ「モントロー」で製造されていた皿を参考にしたという。

 同館での開催は今回が初めて。2005年に県宝に指定された同館は、市の博物館施設となっている。市の担当者と百瀬さんが「この場所で何かできないか」と考え始めたのは昨秋ごろ。「建物そのものが何かを主張するわけではなく、壁は壁、床は床、窓は窓と、その素材の美しさのみで役割を果たし存在し続けている場所。当時の日常、普通の暮らしを思えるような展示ができればと思った」と百瀬さん。「そこで使われていたようなものをイメージして、それぞれ制作をお願いした。建物の中にある生活の息吹を感じてもらえればうれしい」と話す。

 開催時間は9時~17時。入場無料。5月6日までと、25日・26日。「工芸の五月2013」は5月31日まで。企画やイベントについてはホームページで確認できる。

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