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松本・城西に国内外の籠扱う「カゴアミドリ」 産地の近くで、手仕事伝える

1階は自転車店と美容院、2階は歯科医院のビルの3階を改装。窓からは北アルプスの山々も見える

1階は自転車店と美容院、2階は歯科医院のビルの3階を改装。窓からは北アルプスの山々も見える

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 国内外のさまざまな籠を扱う「カゴアミドリ松本店」(松本市城西2、TEL 0263-31-0134)が松本・城西のこまくさ道路沿いにある門屋ビル3階に3月4日、オープンした。

「わら細工たくぼ」のわら細工

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 国内をはじめ、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、中南米など世界30カ国ほどの多彩な籠を用意。海外のものは、模様と鮮やかな色合いが印象的なルワンダの円形バスケットや、葛(くず)の繊維を編んだラオスのショルダー、チリワ草を円すい状に編み上げたペルーの壁掛けの籠など、個性豊かなアイテムが並ぶ。

 籐(とう)家具・バスケットの老舗メーカー「ツルヤ商店」(山形県山形市)の「hairu(ハイル)」シリーズは、銭湯などで目にする脱衣籠の雰囲気を残しながら、和洋問わずなじむデザイン。形はオーバル、スクエア、ラウンドの3種類で、幅広い用途に活用できる。

 「わら細工たくぼ」(宮崎県日之影町)のわら細工は、地域の伝承や古来の結びの形を基に制作。米が実る前に刈り取った青わらで作る「祝結び」や、鳥の形をした「祝酉(とり)」など縁起物のほか、卵が貴重だった時代に割らずに持ち運べるよう作られていた「卵つと」などもある。

 「カゴアミドリ」は2012(平成24)年、東京・国立にオープン。代表の伊藤征一郎さんは、国内外の籠の産地を訪ねたり、日本各地でイベント出店したりしてきた。「作り手の空洞化と共に、産地の方が逆に知名度が低いことが課題だと感じた。『地元では売れない』と話す作り手も多い」と伊藤さん。コロナ禍で自由な移動が制限される中、産地に近い場所で店を構えることで、新たな伝え方ができるのではないかと検討。みすず細工や松本ほうきといった伝統工芸が根付き、2018(平成30)年8月に市内・中山のギャラリー「Gallery sen(せん)」で移動販売会を開催した縁もある松本での出店を決めた。

 「若い人で興味を持っている人も多いと感じている。どこでどうやって作られているのか、どのように使われているのかなど背景を伝えることで、興味も愛着も湧くはず」と伊藤さん。他の地域で作られているものを紹介することで、地元で作られているものとの違いを知り、目を向けるきっかけにしたいという。「この場所だからこそできることを考えていきたい。素材、産地のことをあらためて考える機会になれば」とも。

 営業時間は11時~18時。火曜~木曜定休。

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