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松本市美術館で公募展「老いるほど若くなる」 70歳~97歳の作品110点

会場の様子。一番左の作品がグランプリ天衣賞を受賞した家近健二さん「想」

会場の様子。一番左の作品がグランプリ天衣賞を受賞した家近健二さん「想」

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 松本市美術館(松本市中央4)で開催中の70歳以上を対象とした公募展「老いるほど若くなる」の表彰式が3月10日に行われた。

表彰式の様子

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 「健康寿命延伸都市」を目指す市と同館が主催。プロ・アマチュア問わず70歳以上であれば誰でも応募できる。2004年にスタートして8回目となる今回は、全国43都道府県から過去最多となる589点の応募があった。最高齢は97歳、平均年齢は76.9歳で、90歳代の割合が増えたという。

 会場には入賞・入選した110点を展示。日本画、水彩、油彩、版画、水墨画、ペン画、コラージュなど多彩な作品が並ぶ。日常風景や、身近な人物のほか、祭りや旅行などのイベント、戦時中の記憶のほか、想像や空想などモチーフもさまざま。中には孫からのプレゼントに着想を得たというパステル画や、16年間、少しずつ塗り重ねてきたという油彩画も。

 グランプリの天衣賞を受賞した家近健二さん(大阪府、82歳)の作品「想」はアクリル画。小川稔館長は「一度見たら忘れられない顔。年齢を重ねなければ得られない存在感と内面的美しさ」と評する。

 表彰式では、今回初めて審査を行った菅谷昭市長が「絵を描くことは健康と結び付く大きな力にもなる。そして、(展示作品)110人のそれぞれの思いが、見る人にとっても生きることへの勇気と活力になる」とあいさつした。審査員を務めた女優の檀ふみさんは「(審査で)絵を何度も見るうちに友達になったような気がした。たくさん語り掛けてくれてありがとうございました」と振り返った。

 家近さんは、受賞のあいさつに代えて「早春賦」など春の歌をメドレーで披露。「あいさつが続くとつまらないので(笑)。絵と一緒で、皆の顔をパッとこちらに向かせることが大事」と話し、「絵を描くことは日常生活と共にある。北斎もピカソも長生きしたので、皆さんも長生きしていい仕事をしましょう」と笑顔を見せた。

 開館時間は9時~17時。入場料は、大人=600円、大学生・高校生・70歳以上の松本市民=300円、中学生以下無料。月曜休館。4月7日まで。3月23日14時からは小川館長による「ギャラリートーク」を行う。

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