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松本市美術館で「老いるほど若くなる」展 グランプリは73歳、串を使った点描画

表彰式の様子

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 松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-3400)で開催中の70歳以上を対象とした公募展「老いるほど若くなる」の表彰式が3月11日に行われた。

展示の様子

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 プロ・アマチュア問わず70歳以上であれば誰でも応募できる同展。2004年にスタートして7回目となる今回は、全国40都道府県から440点の応募があり、平均年齢は75.7歳、最高齢は97歳。その中から入賞・入選109点を決定し、展示を行っている。

 会場には日本画、水彩、油彩、アクリル、版画、水墨画、コラージュなどさまざまな作品が並ぶ。グランプリの天衣賞を受賞した京都府の塔本賢一さんの作品「Hello」は串を用いて描いたもの。釣り用の浮きゴムを取り付け、アクリル絵の具使って点描で表現している。3人の審査員全員が推したといい、小川稔館長は「他の絵とは随分違った世界があり、それが画材の使い方を含め入念な技術に支えられていることで大きな成果が生まれたのではないだろうか」と評価した。

 表彰式には入賞・入選者約50人が出席し、賞状を受け取った。塔本さんは、実際に使っている串を持参し、技法について説明。「この描き方で10年くらいやっていて、筆とそんなに変わらない。絵を習ったことはないが、自分なりの方法でこれからも続けていきたい」と話した。松本に来たのは2回目で、同館には初めて足を運んだとも。「草間彌生さんの作品を見て、衝撃を受けた。でも、描く気持ちだけは負けたくない」と笑顔を見せる。

 審査員を務めた洋画家・佐々木豊さんは「とにかく、丁寧な作品が多い」と総評。「老人の話はくどい。くどくなるほど、良くなる絵もある」と締めくくると、会場からは笑い声と拍手が起こった。

 開館時間は9時~17時。入場料は、大人=600円、大学生・高校生・70歳以上の松本市民=300円、中学生以下無料。月曜休館。4月9日まで。3月25日は小川館長による「ギャラリートーク」を行う。

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