松本の喫茶店で落語会-地酒を飲みながら酒にちなんだ2席を楽しむ

「試し酒」で久造が杯を空ける様子には笑いが絶えなかった。

「試し酒」で久造が杯を空ける様子には笑いが絶えなかった。

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 松本城近くの喫茶店「紫陽花」(松本市大手3、TEL 0263-35-5533)で6月5日、お酒を飲みながら落語を楽しむ「喫茶(サロン)de落語」が行われた。

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 同店での落語会は3回目。席亭を務める長浜幸栄さんが「好きなお酒と落語を同時に楽しみたい」と企画、高橋助作酒造店(上水内郡信濃町)の代表・高橋邦芳さんの協力を得て実現した。

 当日、用意した30席余りは満席に。四柱神社(大手3)でも定期的に落語会を行っている古今亭菊生さんが酒にちなんだ2席を披露、純米酒「松尾 錦」と純米原酒「一茶の里 雪中酒」の2種類が振る舞われた。1席目は親子で禁酒を試みようとする「親子酒」。話の中においしい日本酒として「松尾」を登場させたり、「(禁酒なんていったら)『松尾』さんが怒っちゃうよ」と話したりするなど、随所に「松尾」を織り交ぜながら話が進んだ。

 中入り後、菊生さんは「演目は本来、かぶらないようにするもの。お酒の話の後にお酒の話をするのは勇気がいることなんです」としながらも、2席目は「試し酒」。5升飲めるという久造の豪快な飲みっぷりに、会場からは笑いが絶えなかった。

 「何だか懐かしい感じというか…(本来、落語は)こういうものだったんだろうなという感じがした」と菊生さん。以前は師匠のお供などで酒席の場での落語も見てきたというが、最近はそういう場はすっかり減ったという。「始まる前はちょっとドキドキしたが、粋な企画だった」。

 長浜さんが落語会を初めて企画したのは2008年。「地域活性というか、皆で楽しめることができればと思っていた」と長浜さん。これまでは落語の後に食事をしていたが、「落語の中にお酒が出てくることがあり、その飲みっぷりを見ているとどうしても自分も飲みたくなってしまって(笑)」(長浜さん)。昨年10月の「長野の酒メッセ」で出会った高橋さんと、ツイッターを通じてやりとりをしながら親睦を深める中で企画が持ち上がったという。「お酒を飲みながら落語という試みが面白いと思ったので」と高橋さん。「こういった落語会は初めてだったが、とても楽しめた」と笑顔を見せる。

 「これからもいろいろな寄席を企画していきたい。せっかくなので信州の何かとうまく絡めていければ」と長浜さんは話す。

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