松電上高地線で地酒を楽しむ「居酒屋列車」-72人が4社の地酒堪能

出発直後の車内。地酒片手に和やかムード。

出発直後の車内。地酒片手に和やかムード。

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 松本電鉄は6月19日・20日、上高地線の松本-新島々間を往復しながら地酒を楽しむイベント電車「酔い好い電車 -お時間杯酌いたします-」を運行した。

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 同社での一般乗客向けのイベント列車運行は初めて。2両編成の車内では、座席に合わせて2列にテーブルを設置。14.4キロ、14駅の同路線は通常片道30分かかるところを、「地酒をゆっくり楽しめるように」徐行運転し34分かけて走った。

 「鉄道の利用者増加のために、グループの枠を超えてさまざまなアイデアを出して実現した企画」と話すのはアルピコホールディングスの百瀬沙織さん。「沿線の皆さんと一緒にできるイベントを目指して、下新駅そばにある亀田屋酒造さんの協力で実現した」という。

 19日は松本駅を18時22分に出発。この日の参加者72人が、「亀田屋酒造」「大信州酒造」「岩波酒造」「善哉酒造」の4社の地酒を楽しんだ。10分ほど走った大庭駅を過ぎるあたりからは車窓には田園風景が広がり、夕景を眺めながらの飲み比べとなった。折り返しの新島々駅到着のアナウンスが流れると、乗客から「もう少しゆっくりでもいいのに」との声が。乗務員から「これでも精一杯ゆっくり走っているんですよ」との返事に車内は笑い声に包まれた。

 電車は新島々駅で50分ほど停車。地酒や酒蔵グッズなどの販売が行われたほか、松本の酒蔵の酒をブレンドして作った「松本の酒」も振る舞われるなど、参加者は地酒を大いに堪能した。帰りの車内ではくじ引きも行われ、一等の日本酒の当選が出ると車内は歓声に包まれた。

 松本市内から参加した北原嗣正さんは「今後もどんどんやってほしい。向かいの座席とのいい距離感が、客同士のコミュニケーションがとりやすくて楽しかった」と振り返り、松本駅を後にした。同社鉄道部の佐藤なほみさんは「夏ごろにはビール列車などの企画も出来れば」と話す。

 今月26日にも運行を予定しているが、すでに残席はわずかという。同社鉄道部長の久保澤秀明さんは「今、再建計画中ではあるが、こういう催し物を企画して、より地域に愛される上高地線にしていきたい」と話す。

 26日の運行は18時松本駅集合。参加費3,000円。問い合わせ先は松本電鉄鉄道部(TEL 0263-26-7311)。

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