スペシャリティコーヒーを提供する「COFFEE AGATA」(松本市中央2)が松本・高砂通りに6月12日、オープンした。
店舗面積は約10坪。席数は、テーブルとカウンター合わせて11席。昨年5月に75年の営業を終えた古書店「アガタ書房」の店主・小林隆志さんが長年の夢をかなえる形で新たに始めた。テーブルやベンチ、棚の一部は古書店で使っていた棚板を再利用して自作。棚にはおよそ4000枚のレコードを並べ、レコードプレーヤー、音楽や映画、食関連の書籍を置く。
ハンドドリップでいれるコーヒー(600円~)は、シングルオリジンを5、6種類提供。浅いりの豆をメインに、中深いり、深いりもある。小林さんが手作りするケーキは、ベークドチーズケーキとガトーショコラ(以上400円)の2種類を用意する。
1950(昭和25)年に小林さんの両親が始めた「アガタ書房」は、雑誌の回覧業が前身。会員を募って、当時中町にあった松本県ケ丘高校同窓会館で立ち上げたといい、店名の由来にもなっていた。1966(昭和41)年に現在の店舗の近くに移転してからは貸本業が中心となり、その2年後、現在の位置に移った。
中学生の頃からレコードを集め、上京して訪れたジャズ喫茶に衝撃を受けたという小林さん。自身が店に立つようになってからは、音楽関係の古書や中古レコードの扱いが増えたという。70歳を目前に今後の営業について考えた際に、妻から「せっかくだから好きなことをしたら?」と後押しされ、夢だった喫茶店の実現を決意。コーヒーのいれ方やケーキ作りを学び、1年かけて準備を進めてきた。
店内に流れる音楽は、ハイレゾ音源のストリーミングサービスを利用。1人で切り盛りしているとレコードをかけ替えられないためで、「レコードはオブジェみたいなもの。仲間内からは『見せびらかしているんだろ』と言われる」と笑う。時々、大きな音は出さずにレコードをかける時間が、ひそかな楽しみだという。「音楽を聴きながら、本や雑誌を開いてゆっくりできる、大人のたまり場のような店にしていければ」とも。
営業時間は11時~17時。水曜・木曜定休。