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松本の人形店で手描き京友禅のひな人形展-県産材使った改装後、初企画

波田・若沢寺のカラマツを使った展示台に並ぶひな人形

波田・若沢寺のカラマツを使った展示台に並ぶひな人形

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 松本・高砂通りの「村山人形店」(松本市中央2、TEL 0263-32-1770)で現在、「京都たちばな彌尊正展 手描き京友禅のおひなさま」が開催されている。

細部にまでこだわり仕上げたひな人形

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 手描きの京友禅を担当する山田和廣さんと、おひなさまを担当する片岡正博さんの工房「京都たちばな彌」のひな人形を展示。落ち着いた色合いの生地に手描きの京友禅が施された着物を着た優雅で気品のある人形約20組が並ぶ。「子どもや孫のためという方はもちろん、年を経て、自分用にと買い求める方も多い」と同店の村山謙介さん。

 もともと呉服業界の仕事をしていた山田さんが、下絵や金泥描き、金振加工、刺しゅうなどの工程を信頼する職人に依頼。色や柄など細部にもこだわり丁寧に仕立てた生地を、片岡さんが裁断縫製から着付けまで一人で行って完成させる。

 着物の色や柄などを選び、オーダーメードでの制作も可能。「(子どもや孫の)名前にまつわるものをモチーフとして入れたり、成長を願って縁起物を描いたり、それぞれの思いを込めて作ることができる」と村山さん。「鮮やかな色ではなく、ふわっとした雰囲気は今の住宅環境にも合うと思う。毎年飾りたい、長く飾りたいと思えるひな人形に出合ってもらえれば」と話す。

 先月、店内を改装した同店。壁はしっくいで仕上げ、展示台やカウンターは波田・若沢寺のカラマツを中心に使い仕上げた。2年ほど前、同寺のカラマツ材に注目し何か利用できないかと考えたという村山さん。当時は良い方法が見つからずに諦めたが、今回の改装の際に、林友ハウス工業(安曇野市)にムクの県産カラマツを使いたいと依頼したところ、たまたま同社が伐採業者を通じて昨年仕入れていた同寺のカラマツが候補に挙がった。「偶然、以前の思いをかなえることができた。小口もきれいなので生かす形で仕上げてもらった」

 「商品とともに県産材の魅力にも触れてもらい、来店客に『松本らしい店』と実感してほしい」と村山さん。「地元の食材を使うように、地元の木材を使う『地産地消』が日常になれば」とも。

 作品は全て販売する。1組30万円~。営業時間は10時~18時。12月6日・7日は山田さんが来店する。12月7日まで。

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