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松本・庄内に今年もホタル出現-学習会&観察会、120人が参加

学生たちや家族で観察に来る人でにぎわう観察会

学生たちや家族で観察に来る人でにぎわう観察会

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 松本市庄内の大型ショッピングセンター「コモ庄内」(松本市出川1)の北東側にある「多自然水路」に今年もヘイケボタルが出現し始め、近くの小学生らが観察に集まっている。

学習会にも多くの人が参加

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 付近一帯は川にはゲンジボタル、田にはヘイケボタルが生息していたが、区画整理工事に伴い年々数が減少。「何とかホタルの住める環境を残そう」と2003年に現地調査を始め、水路の移転を行った。その後、住民有志による「庄内ほたると水辺の会」が維持・管理しながら、勉強会や観察会などを開催。昨年はこれまでで最多となる約1000匹の成虫を確認した。

 6月28日には、庄内地区公民館で学習会を開催。地域の住民や学生など約120人が参加し、信州大学名誉教授の藤山静雄さんが、ホタルの生態やこれまでの取り組みについて話した。「ホタルだけでは駄目。他の生物も含めた良い環境を作れば、ホタルも自然と増える」と藤山さん。質疑応答では、県内各地から参加した人から農薬や気候の影響についてなどの質問が寄せられた。

 続けて水路に移動し、観察会が行われた。「今年は去年より出現が少し遅いが、数は同じくらいになると思う」と同会の上條慶子さん。この日は120匹ほどを確認した。ヘイケボタルはあまり飛びまわらずに、水辺付近で止まって光っているものが多い。子どもたちは、指で優しくつまんで、渡されたプラスチックカップに入れて観察していた。

 同会は今年、「第4回地域再生大賞」の優秀賞を受賞。「地道に取り組み続けてきたことを評価していただいた。10年やってきたと思うと感慨深い」と上條さん。昨年、市民団体や専門家らで「松本ほたる学会(まなぶかい)」を発足し、市内各地で学習会などを行っている。「ホタルだけではなく、ホタル『も』住める自然環境を維持することがモットー。皆で協力して、自然の水辺を未来に残すことができれば」

 観察会は7月5日・12日にも行われる。実施時間は19時30分~21時ごろ。ホタルが最も光りやすい時間は20時過ぎ。

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