工芸にまつわるさまざまな企画やイベントを展開する「工芸の五月」の秋・冬の企画が10月1日、松本市内で始まった。
中町のギャラリー「グレイン・ノート」(松本市中央3)では、「ニッチの世界」を開催している。隙間や壁のくぼみを意味する「ニッチ」をイメージして5人の作家が「近ごろあなたのことが気になります」をテーマにさまざまな動物を制作。「工芸の五月」企画室の高橋華菜さんは「ふとした瞬間に目に入ると和むような気持ちになれる作品が集まった」と話す。今月12日まで。
11月3日~13日には、明かりの作品を集めた企画展「灯(あか)りの手仕事」を松本市博物館の外に面したウインドーギャラリーで行う。11人の作家が手がける作品は、ガラス、木工、陶製など多彩な素材。デスクライト、ペンダントライト、アルコールランプや、中が光るタイプのオブジェなど、バリエーション豊富に展開する。11月15日~23日には、伊藤石材店(中央3)2階「ギャラリー自遊石」で同じ作品を展示販売する。
市内の飲食店3店舗とコラボした「満ちる工芸」は今回初めて企画。県内の工芸作家が制作した作品で、会場となる店のフードやドリンクを味わい、終了後は作品を持ち帰ることができる。毎年5月に開催しているクラフト作家の器で酒を楽しむイベント「ほろ酔い工芸」をベースに、「工芸の町・松本」の風景を楽しんでもらいたいと考えたという。スタッフの杉田映理子さんは「店を入り口にして、工芸に触れてもらう機会にしたい。物だけではなく体験も持ち帰ってもらえれば」と話す。
10月25日は「KUROSUGURI」(大手2)で陶芸家・加藤あゐさんの豆皿、11月21日はチーズ専門店「ジュレ・ブランシュ」(同)でナイフ作家・平林秀幸さんのカッティングボードやナイフ、12月6日はカフェ「aL(アル)coffee & bake」(大手3)で3人の陶芸家、青木郁美さん、sulosuさん、児玉修治さんがそれぞれマグカップを用意する。料金は各回5,500円で、ウェブで予約を受け付けている。
「工芸の五月」は2007(平成19)年に始まり、今年で20回目を迎えた。コロナ禍以降は、5月に限らず通年で、展示やイベント企画を展開している。高橋さんは「普段の暮らしが少し楽しく、豊かになるような工芸品との出合いになれば。あまり工芸になじみがない人も足を運んでほしい」と呼びかける。