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松本・上高地の砂を起点としたウェブマガジン創刊 山と川から暮らしへ

「多くの人に知ってもらえれば」と呼びかける濱さん(左)と倉地さん

「多くの人に知ってもらえれば」と呼びかける濱さん(左)と倉地さん

 土木事業を手がける小石興業(松本市波田)が上高地・大正池の砂を起点としたウェブマガジン「Sandscape(サンドスケープ)」を10月1日、創刊した。

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 1977(昭和52)年から上高地・大正池の堆積物を取り除くしゅんせつ作業を担う同社が、北アルプスから川を通じて運ばれてくる砂に着目。本年度は「流域を知る」として、山、川、町を一つのつながりとして見つめ直す記事を順次公開する。初回は、「足元の砂は、何を物語るのか」と題して、地質学者で信州大学名誉教授の原山智さんにインタビュー。河童橋から大正池までを歩き、足元の砂や岩石について解説しながら、景観保全について考える。

 しゅんせつが行われるのは、上高地閉山期間中の11月から翌年4月。作業船で吸い上げる土砂は、年間約2万立方メートルになり、砕石場での保管も限界に達しつつあるという。同社では今年4月、土砂を洗浄・選別し、観賞魚・園芸用資材の天然砂「上白砂(かみはくさ)」として販売を始めた。同社グループ営業部長の濱陽介さんは「単なる商品化ではなく、砂を地域の中で循環させる取り組みとして位置付けている。上高地・大正池の保全に関心を持つきっかけになれば」と話す。

 同社は10年ほど前から上高地のボランティア活動に参加。今年4月には中部山岳国立公園パートナーシッププログラムにも参画し、環境保全や地域貢献に努めている。「現場の作業だけでは、地域とのつながりを意識する機会は少ない。外からの声を取り入れたり、接する場面を設けたりする必要がある」と濱さん。社員が案内役を務め、地元の小学生を招いた見学会なども開いている。「慣れないことに緊張する社員もいるが、数字とは違うやりがいになっている。いろいろな形で『まちづくり』を担いたい」とも。

 ウェブマガジンの企画は、「上白砂」プロジェクトから生まれた。同プロジェクト推進担当の倉地栄子さんは「上高地だけではなく、流域として捉えることで、身近な暮らしとつながり、より多くの人に興味を持ってもらえると考えた」と振り返る。取材を通じ、地質、河川、エネルギー、山岳信仰、観光といった幅広い分野とのつながりが広がっているという。

 今後は、穂高神社の禰宜(ねぎ)・等々力良勝さんや、登山アプリ「YAMAP」や小水力発電「さとやまエネルギー」に携わる人を迎え、月1、2回ペースで更新を予定する。「情報発信をすることで、当社だけではなく、地域全体の課題として多くの人と一緒に取り組んでいきたい」と倉地さんは意気込む。

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