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松本の暮らしから生まれた「四季を味わう木の器」 「みんなのどうぐ」企画で

4月29日に行われた完成お披露目会

4月29日に行われた完成お披露目会

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 本当に使いたい生活道具を考えて形にする参加型製品企画プロジェクト「みんなのどうぐ」から生まれた「四季を味わう木の器」が完成し、4月29日に販売を開始した。

「カネキン小椋製盆所」訪問の様子

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 作り手と使い手をつないでものづくりを行う「Pint!」(東京都)が2014年から始めた同プロジェクト。参加者が素材や技法を学び、本当に使いたいものを考えてアイデアを出しながら、これまでに木のプレートや包丁などをリリースしてきた。以前、企画展やイベントを行った書店「栞日」(松本市深志3)を会場に、昨年10月から5回にわたって開催。約10人が参加し、道具作りを進めてきた。

 今回は初の試みとして、テーマ設定から参加者同士で話し合いを行った。松本・安曇野に移住してきたという人が多かったこともあり、他の地域と比較しながら「松本の食卓」の特徴をピックアップ。「スーパーに生そばが並んでいて種類も豊富」「地物の野菜や果物が安くておいしい」「漬物をたくさん食べる」などの声から、「野菜たっぷりのサラダも、旬のたくさんの果物も盛り付けられる器」という方向性が生まれた。「何人、何世代で暮らしているかによって使うシーンは異なるので、共通項を探すのは難しかった。どんな家族構成でも使えるような汎用(はんよう)性を考えた」と同店店主の菊地徹さん。

 その後は、写真や動画で木という素材や加工技術を学んだり、日常で使っている器を持ち寄ったりしながら大きさや持ちやすさ、収納のしやすさなどについても検討。2月には、製作を担当する南木曽町の「カネキン小椋製盆所」を訪問し、丸太から器にするための製材の方法の説明を聞き、チェーンソーで加工する様子などを見学した。4月29日に行った最終回では、スペシャルゲストに安曇野の「おひさまキッチン」主宰・後藤和美さんを迎え、完成お披露目会を実施。持ち寄った料理を器に盛り付け、1年間の取り組みを振り返りながら、皆で味わった。

 完成した器は大小2サイズ。軽くて持ちやすく、深さもあり、一つ一つ木目が異なる。「今回は地域性が強く出た。地域ならではの暮らしに焦点を当てて進められ、木材調達や工房見学など、東京開催では実現できないこともできた」と同プロジェクトの中地大介さん。「参加者の皆さんから、地域への愛情や人との深いつながりを感じた。今後、地元の飲食店でも使ってもらえるようになればうれしい」とも。

 価格は大(直径22.5センチ)=7,344円、小(同16.5センチ)=5,184円。同店のほか、インターネットでも販売する。

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