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松本市美術館で「草間彌生 永遠の永遠の永遠」-本人来館に来場者沸く

現在も制作中の「わが永遠の魂」の前で

現在も制作中の「わが永遠の魂」の前で

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 松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-7400)で現在、松本出身の前衛芸術家・草間彌生さんの作品展「草間彌生 永遠の永遠の永遠」が開催されている。

モノクロの「愛はとこしえ」シリーズの前で

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 巡回展となる同展は、今年1月の国立国際美術館(大阪府)を皮切りに、松本が3カ所目となる。同館の開館10周年記念展としての開催で、大阪・埼玉で展示した作品106点に、2009年に制作を始めた絵画シリーズ「わが永遠の魂」の最新作や、松本時代の初期作品、インスタレーション35点を加えた141点の展示構成で独自色を出す。期間中は、ホテルブエナビスタ(本庄1)や松本パルコ(中央1)にも草間さんの作品を置き、市全体で同展を盛り上げる。

 7月28日には草間さん本人が来館。同館外壁に制作された「松本から未来へ」に来館記念のサインをした後、学芸員に車いすを押されながら館内に案内され、作品を見て回った。突然の本人の登場に驚きを隠せない来場者たちは、草間さんの後に続きながら貴重な時間を過ごしていた。

 観賞後に行われた草間さんの来館セレモニーには約500人のファンが集まり、草間さんの登場を拍手で迎えた。草間さんは「日本最大の展示を松本で行うことができ、大変うれしい。人生をかけて芸術に向かうことができたのは、皆さんのおかげ。一生懸命作品を作るので、これからもよろしくお願いします」とあいさつすると、一層大きな拍手が起こった。草間さんは自身が作った詩の朗読も披露。詩にメロディーを付けて歌い上げる場面もあり、ファンは驚きながらも感激の様子で草間さんを見つめていた。セレモニーが終了すると、「草間さんありがとう」「松本におかえりなさい」などの声援が飛び交い、再び盛大な拍手で見送った。

 記者会見では、「世界中いろいろな場所で展示を行っているが、松本市美術館はお世辞ではなく本当に素晴らしい。設置の仕方も素晴らしく、びっくりした。最高のレベルだと思う。一生忘れることができない」と感激した様子。「朝から晩まで死にもの狂いで描いている。歳を取ってしまったことが残念だけど…私は長く作品を作っていきたい」と今後の制作にも意欲を見せ、「戦争や貧困のない世界、愛のある世界が作れるよう、芸術で貢献していきたい」と話した。

 開館時間は9時~17時(入場は16時30分まで)。入場料は、大人=1,000円、大学生、高校生、70歳以上の松本市民=600円、中学生以下は無料。月曜休館。11月4日まで。8月11日と10月6日には、草間さんのドキュメンタリー映画「≒草間彌生 わたし大好き」の上映会を行う。担当学芸員によるギャラリートーク、建畠哲さん(京都市立芸術大学学長・埼玉県立近代美術館館長)による記念講演会なども予定している。

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