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独特のさびた色合いを生み出す伊藤環さん陶展-松本のギャラリーで

白色寄り、黒色寄りといったゆるやかな色合いの作品が並ぶ

白色寄り、黒色寄りといったゆるやかな色合いの作品が並ぶ

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 松本・元町にあるギャラリー「tadokorogaro」(松本市元町1、TEL 0263-36-0985)で現在、「伊藤環 器-白黒-展」が開催されている。

コンクリートブロックを使って1点ずつ展示したスペースも

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 会場には、カップ、皿、飯わん、ぐいのみ、ポットなど約300点を展示する。「展示会のときには大きいものがあると締まる」(伊藤さん)と作った大きい皿や花器も。伊藤さんが「錆銀彩(さびぎんさい)」と呼ぶシリーズは、銀を塗ってから腐食させ、青みがかった黒色のような鈍く光る銀色のような独特な色合いを生み出す。「枯淡釉(こたんゆう)」のシリーズはブリキがさびたような風合いを焼き物で表現したもの。「さびた感じを陶器で出す人は珍しい。伊藤さんとは好きなものが似ているというか…特に『錆銀彩』をもっと見たくて(展示を)お願いした」と同ギャラリーオーナーの田所真理子さん。

 伊藤さんは福岡県・秋月の出身。陶芸家である父・橘日東士さんと10年ほど作陶を共にした後、2006年に神奈川県の三崎で開窯し、創作活動を行っている。

 イラストレーターとして活動する田所さんが連載する雑誌「日々」に伊藤さんが出ていたことが同展開催のきっかけ。「一昨年くらい前に初めて会って、『いつかは展示を』と話した」(田所さん)。その後、話し合ってテーマを決めた。「伊藤さんが『白を極めたい』と言っていたので、白と黒をテーマにした。実際並べてみると白黒はっきりした色合いというよりは、ゆるやかな感じ。いろいろな表情のものを見ることができる」。

 隣接の日本料理店「温石(おんじゃく)」では期間中、伊藤さんの器で料理を提供する。「和の雰囲気を持つ器が多い。『こういうものなら使いやすいかな』と考えて作ってくれたのでは」と田所さん。「その思いの通り、使いやすそうな、使ってみたいと思えるような器。ぜひ使ってもらえれば」とも。

 作品は全て販売する。カップ=3,150円~、皿=3,675円~、ポット=1万3,650円~など。営業時間は月曜~土曜=10時~16時30分、日曜=11時~18時。入場無料。5月29日まで(24日は休み)。28日・29日は伊藤さんが在廊を予定する。

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