縄手通りに手打ちうどんと山肉料理の店-ジビエ普及に力入れる

「みたから」外観。古荘風穂さんのデザインした看板がかかる。

「みたから」外観。古荘風穂さんのデザインした看板がかかる。

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 縄手通りに6月2日、山肉料理・手打ちうどんの「みたから」(松本市大手4、TEL 0263-34-5564)が移転オープンした。

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 場所は縄手通りの焼きいも店「三松屋」跡。店舗面積は約20坪。客席はテーブル・カウンター合わせて23席。うどんは長野県産の小麦を100%使用する。「すうどん」「ぶっかけ」(各480円)「しょうゆ」(500円)といったシンプルなものから、ランチタイムは「肉ごぼううどん」(800円)、「かま玉うどん」(650円)なども提供する。

 同店はこれまで上土通りで手打ちうどんをメーンに営業をしていたが、移転を機にシカ肉やイノシシ肉などを使うジビエにも力を入れる。シカ肉やカモ肉のほか、信州黄金シャモも鉄板焼き(500円~)や炭火の串焼き(480円~)で提供。ほかにシカ肉を使った「メンチカツ」(690円)、「ハンバーグ」(790円)なども用意する。

 シカ肉は猟師がとってそのままさばいていることが多いが、同店で使用するのは処理施設で解体されたもの。衛生的にも問題なく安全だという。「誰がとって誰がさばいたかがちゃんとわかっている安全なものを使う。シカ肉の普及のためには、安全だということをはっきりさせることが大切」と店長の海野直人さん。

 海野さんがジビエの普及に力を入れようと思ったのは趣味の釣りがきっかけ。ここ数年、山に増えたシカが木の皮をはぐなどして起こる森林の荒廃が川の荒廃にもつながっていることを感じていたという。「川筋にもシカが増えた。山が荒れれば川も荒れる。まず山を守らなければいけない」(海野さん)。現在、県でもニホンジカを適正な生息数に導くために捕獲を推進している。「ジビエを扱う店が増えれば、獲ったシカを資源として活用できる。それが山の荒廃を止めることにつながると思う」と海野さん。「シカ肉は高タンパクで低カロリー。うちでは熟成させて使っているのでうま味が出る。シカ肉の本当のおいしさを知ってもらいたい」とも。

 同店は、オープンにあたり看板のデザインを募集。何人かが申し出る中で、松本市在住のイラストレーター・古荘風穂さんの図案を採用した。内装も多くの人の手で作られたという。「通りがかりの人が壁を塗ってくれたり(笑)、プロから素人まで、本当にいろんな人が来て手伝ってくれた」と海野さん。「今後は、県内小麦とジビエの普及に力を入れていきたい。『昼はそば、夜はジビエが楽しめる』と松本に観光に来た人に思ってもらえるようにしていきたい」と話す。

 営業時間は11時~14時、18時~22時。

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