山岳関係者を招き「劔岳 点の記」試写会-プロデューサー来場で撮影秘話も

左から菊池淳夫さん、平形友宏さん、穂刈康治さん。

左から菊池淳夫さん、平形友宏さん、穂刈康治さん。

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 北アルプスにある剱岳(つるぎだけ)を舞台にした映画「劔岳 点の記」の試写会が6月4日、エンギザ(松本市大手4、TEL 0263-32-0396)で行われた。

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 原作は、長野県諏訪市出身の新田次郎さんの同名小説。1907年、古来よりその険しさから「針の山」、宗教上の理由から登ってはならない「死の山」と伝えられてきた前人未到の山・剱岳。正確な日本地図を完成させるために、浅野忠信さん演じる陸軍参謀部陸地測量部測量手・柴崎芳太郎が測量を任命され、仲間たちとともに命をかけて登頂を目指す物語。

 今回の試写会は同館支配人の平形友宏さんが企画。北アルプス山小屋友交会の穂刈康治さんが平形さんの先輩だったことや、同会の総会にプロデューサーの菊池淳夫さんが参加して映画の説明をしたこともあり、県内の山小屋関係者や山岳ガイド、県内高校の山岳部員などを招待して行うこととなった。当日、来場の予定がなかった菊池さんが急きょ来場。「立山連峰(富山県)の話だけど、松本で試写会ができてとてもうれしい」と上映前にあいさつした。

 同作品は、木村大作監督の「地図を作るためだけに、まじめにコツコツやって報われたという『生き方の基本』を感じてほしい」という思いから映画化された。撮影は2007年4月から2008年8月まで200日以上を費やした。CGを一切使わず、物語の進行通りに撮影する「順撮り」の手法を採用したという。「CGは最初から使わない方向だった。つらい状況で出る表情やしぐさは本物。その場のその時の表情を伝えたかった」と菊池さん。木村さんがキャストやスタッフほぼ全員に「危険な撮影になる。覚悟はできているか」と面接を行ったことや、小道具は当時使用した道具を忠実に再現して作ったなどの撮影秘話も紹介した。

 「山を撮ったものなので、山に関係している人たちに『山はこんなに素晴らしい』ことを改めて感じてほしかったし、守っていってもらいたい」と菊池さん。「映画館の宣伝ではないが、ここ(エンギザ)は音響の調整など『完璧』の状態で見せてくれた。とてもいい環境で見てもらえると思うので、ぜひ足を運んでほしい」とも。

 同作品は20日から、同館ほか全国でロードショー公開。

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