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松本で「これからの古本屋」考えるイベント 「まつもと一箱古本市」プレ企画で

(写真右から)柳澤さん、飛び入りとなった渡辺さん、越智さん

(写真右から)柳澤さん、飛び入りとなった渡辺さん、越智さん

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 松本の多目的スペース兼バー「Give me little more.(ギブミーリトルモア)」(松本市中央3)で8月24日、トークイベント「古いけど新しい、これからの古本屋の在り方vol.1」が行われた。

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 9月18日に行われる「第2回まつもと一箱古本市」のプレイベントとして開催。同実行委員長を務める、今年4月にオープンした「おんせんブックス」(浅間温泉3)店主・信州大学経済学部4年の越智風花さんが聞き手となり、地元の古本店店主らとトークを行った。ゲストは「書肆秋櫻舎(しょししゅうおうしゃ)」(中央3)の店主・栁澤孝夫さん。実店舗だけではなくネット販売にも力を入れ、松本の郷土史に関する書籍の編集・出版にも携わる柳澤さんのこれまでの経緯や、現在の出版・流通事情、東京と地方都市との違いなどを話した。

 「昔は、全集や百科事典など本を並べるのがかっこいいとされていた」と柳澤さん。バブル時代が終わって徐々に変化が起こり、阪神大震災後に売り上げは大きく落ちたという。「いつ何があるか分からないから、必要なものだけを求めるようになった。でも、見えを張らなくても生きていけるということは、今の方が正常なのだと思う」。柳澤さんが店を始めた1989(平成元)年、越智さんはまだ生まれていなかったというやりとりも。これから古本店を始めたいと、柳澤さんのもとを訪れる人に対して「神保町でアルバイトをした方がいい」とアドバイスをしていることについては、「自分の好きなこと(ジャンル)だけではなく、知らない世界も知った方がいい」と説明した。

 後半は、観覧していた古本&喫茶店「想雲堂」(大手4)店主・渡辺宏さんも交えて、実店舗の運営について語り合った。「観光客は『旅先での出合い』として買ってくれるが、常連客はあまり買ってくれない(苦笑)」と渡辺さん。「常連は勝手なうんちくばかりで、店主はそれに付き合わざるを得ない」という実情も。最後は「やってみたいと思ったことはやった方がいい」という柳澤さんの言葉で2時間半のトークを終えた。

 「イベントはまだ慣れなくて、最初は不安もあったが後半は観覧者の反応も感じられて良かった」と越智さん。来月には2回目を予定し、ライター・エッセイストの北尾トロさんや、市内で古本店を始めたばかりの人、これから始めようと準備を進める人などを招く。「古本に携わっているさまざまな人に話を聞くことで、これからの古本屋の在り方を考えるきっかけになれば」

 次回は9月14日、19時30分~。入場料は前売り=500円、当日=800円(1ドリンクオーダーが必要)。「一箱古本市」は9月18日10時~16時、松本城大手門桝形跡広場で行われる。

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