松本駅前にラーメン店-チャレンジショップ新形態、街ぐるみで応援

松本駅前にオープンした「ハンリュウ」。赤い看板が目印。

松本駅前にオープンした「ハンリュウ」。赤い看板が目印。

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 松本商工会議所と松本市は市内で独立開業を目指す人を支援する「チャレンジショップ」の内容を一新。1店舗目として松本駅近くにラーメン店「ハンリュウ」(松本市中央1、TEL 0263-50-7209)が11月28日、オープンした。

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 同事業は2002年に始まり、市内の大名町商店街にあるビルの1階に3区画を設置し、月1万円で提供するという方式で行ってきた。これまで18人が利用、現在県内に6店舗を構えるツボ押しの「癒し処(いやしどころ)倉田屋」(中央2)などここから独立開業した人も多い。しかし、1年間しかいられない、調理場がないため飲食業ができない、と制約が多いこともあり希望者が減少、昨年10月に閉店した。

 その後、内容を見直し、創業希望者と市街地の商店街で空き店舗になっている物件のマッチングを行う方法に変更。創業希望者は空き店舗を自由に選び、家賃補助(出店後2年間、月額の10分の3、上限8万円)と融資の利子相当額の補助を受けられるように改定。起業支援だけではなく、新店が根付くことで商店街の活性化も狙う。「起業したい人の芽を絶やさないようにすることも大事だし、街の中にあるべきものを絶やさないということも大事。いったん絶えると復活は難しい。早めにつないでいけるよう、橋渡しができれば」と同商工会議所の中島健さん。

 1店舗目となった同店は波田町で営業している「ハンリュウ」の支店。本店を手伝っていた二女の金子正実さんが松本に出店することになり、今年10月の創業支援のセミナーに参加したのがきっかけとなった。「ちょうどタイミングがよかった。金銭面以外にも、商店街組合の会長さんに顔合わせをしてもらったり、コンサルタントの方にアドバイスをもらったりと、かなり心強かった」と金子さん。

 商店街の人は「一緒に盛り上げよう」と温かく迎えてくれ、開店の日にも食べに来てくれたという。「このあたりは夜になると早い時間に暗くなってしまうが、私も商店街の活性化に一役買えるよう頑張っていきたい」と意欲をみせる。

 席数はカウンター、テーブル、座敷を合わせて約16席。ランチタイムはラーメンをメーンに営業し、今後は本店でも扱うチヂミなども始める予定。夜はアルコール類も提供する。営業時間は11時30分~23時(金曜・土曜は24時まで)。

 同事業では、今月26日に本町にカレー店「スパイシーソウル」が2店舗目としてオープン予定。「『やりたい』という人の背中を押すのが私たちの役割」と中島さん。チャレンジショップ以外の支援もいろいろあるという。「地方の活性化は中心市街地が鍵を握る。失われていく経営資源を空き店舗の再生という形で、何とかしていきたい」と話す。

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