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エリア特集2010-11-27

松本ロケーションガイド【小説編】

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「長野県松本市」と聞くと「白線流し」をイメージする人がいる。テレビドラマで同作品が放送されたのは1996年1月。15年が過ぎようとする今でも、その映像の印象が強く残っている人は多い。
ここ数年、広域松本圏でドラマや映画のロケが行われることが増え、松本経済新聞でもいくつかロケの様子などを記事で取り上げた。今年8月には、来年3月から放送されるNHK連続テレビ小説「おひさま」の舞台が安曇野・松本になったと発表されたことは記憶にも新しい。
そこで松本経済新聞では、ドラマや映画だけではなく、小説や漫画にも着目。物語の舞台となった場所をクローズアップして紹介する。

「神様のカルテ」 著/夏川草介

「神様のカルテ」「神様のカルテ2」

「神様のカルテ」(2009年9月)
「神様のカルテ2」(2010年10月)

信州松本にある「本庄病院」に勤める内科医・栗原一止(いちと)が日々の診療・治療に追われながらも、患者や同僚、妻や友人と触れ合う中で成長していく物語。作中には「信州の風景」が数多く登場。店名などにも実在する店や施設を連想させる名前が多く、地元では実際の風景と重ね合わせることで楽しみが増えるとの声もある。
筆者の夏川草介さんは信州大学医学部卒。現在、県内の病院で地域医療に従事しながら作家活動を続けている。

◆王ヶ頭

王ヶ頭

王ヶ頭(おうがとう)は美ヶ原の最高峰(標高2,034メートル)。
「神様のカルテ2」の冒頭では冬の王ヶ頭をスノーシューで歩く一止と妻・榛名(ハル)の姿が描かれている。スノーシューとは雪上歩行具で西洋風「かんじき」のようなもの。作中で一止はスノーシューの感覚を「膝を柔らかく受け止める雪の感触と、サクリサクリと響く乾いた音が心地よい」と表現している。
王ヶ頭から西方アルプス側に張り出した尾根の突端が王ヶ鼻(2,008メートル)。ここから2人は冬の北アルプスを見渡す。

私は寒さを忘れて、その見事なパノラマに見入るばかりだ。270度の視界のすべてに、堂々たる名峰が黙然と坐して我らを取り囲んでいた。
ふいに私は乗鞍岳の左手の雲間に、場違いなほどの迫力で惚焉と屹立する巨山を見つけて息を飲んだ。
「ハル、あの山はなんだ」
私の質問を予期していたように細君が答えた。
「御嶽山です」
「あれが……」
私は、己の抱いていた印象とあまりの違いに驚いた。

「神様のカルテ2」プロローグ

2人が暮らす下宿の名前は「御嶽荘」。一止は名前は知っていたものの、初めてその山の姿を目にする。山岳写真家の榛名が見せたかったという景色と彼女の思いを心に刻み、一止は夏になったらロープウエーで御嶽山に2人で登ることを約束する。

王ヶ鼻からの眺め

ちなみに作中に登場する「王ヶ頭ホテル」は美ヶ原の頂上に実在する一軒宿。毎年12月~4月は冬季交通規制のため日帰りで行くことはできないが、宿泊客に対して松本駅から送迎バスを運行している。真冬はマイナス15℃~20℃近くまで気温が下がり、かなり厳しい環境にはなるが、王ヶ頭からは日本100名山のうちの41もの山々を見渡すことができるという。その光景はまさに天上のパノラマだ。

王ヶ頭ホテル
http://www.ougatou.jp

◆深志神社

深志神社

深志神社は松本市深志にあり、地域の人々からは「天神様」として親しまれている。主祭神は建御名方命と菅原道真(天神)。
作中には、2人が暮らす「御嶽荘」と一止が勤務する「本庄病院」の間に位置する神社として登場する。「神様のカルテ2」では春の深志神社が描かれている。

住宅街に埋もれるように位置する小さな社殿の神社であるが、歴史は古い。なにより背後にひかえた鎮守の森が、突如家々の間に姿を現すところは、にわかに別世界の入口に出くわしたような不思議な感動がある。
四季折々の往来を見せる大通りとは対照的に、ここだけは季節を問わず、いつ訪れても、静まり返った境内に、清浄な空気が満ちている。
「まあ…」
石畳の参道にさしかかったところで感嘆の吐息をもらしたのは、我が細君のハルであった。拝殿脇に、咲き誇る桜の大木を見つけたのだ。社殿に薄紅色の影を落とす数本の桜が、今は盛りであった。

「神様のカルテ2」第2話・桜の咲く町で

晩秋になると木々は落葉が盛んで、境内にはところどころに落ち葉が丸く積み上げられている。桜の木は参拝者が入れる範囲には1~2本しかなく、神社の隅にひっそりと静かに枝を張る。

幽霊屋敷のごとき二階建ての「御嶽荘」は、作中では深志神社から駅前通り、中町通り、女鳥羽川、縄手通りを渡り、松本城を抜けた先の住宅街にある。近年、高層マンションが建ち、変わり行く風景もあるが、市内の通りを一本入ると「御嶽荘」のような建物もそこここに残っている。モデルとなった木造家屋は現存していないとのことだが、一止や榛名のいる風景を思い浮かべながら路地を散策するのも面白い。

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大阪府出身の夏川さんは信州の自然を称賛する。「山もきれいで、水もおいしい。何より四季の移り変わりが鮮明」。「神様のカルテ」では秋から冬、「神様のカルテ2」では冬から春、夏までの季節を描いている。「ここには都会にはないものがたくさん残っている。これからも信州らしさや季節感を丁寧に描いていきたい」と夏川さんは話す。

「神様のカルテ」は映画化が決定、2011年に全国東宝系で公開が予定されている。原作に登場する信州の風景をなるべく映画の中でも再現してほしいという夏川さんの要望もあり、松本市内各所でもロケが行われた。一止役を人気グループ「嵐」の櫻井翔さん、榛名役を女優の宮﨑あおいさんが演じる。信州を舞台にした物語がどのように映像化されるのか、期待が高まる。

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