実演やワークショップなどでクラフトと触れ合うイベント「クラフトピクニック」が10月19日・20日、松本・あがたの森公園(松本市県3)で開かれた。主催はNPO法人松本クラフト推進協会。
木工、陶磁、金属、ガラス、皮革など72組が出展。会場内には実演やワークショップを行うブースが並んだ。アクセサリーや木のおもちゃ、モビールなど20分ほどで気軽に作れるものから、座編みのスツール、手縫いの革小物やベレー帽など1、2時間かけて本格的に製作するものまで多彩に用意。フードブース出店エリアも初めて設けた。
今年の招待出展は、須賀川竹細工振興会の百瀬晃平さん。山ノ内町の須賀川地区では、江戸時代から根曲がり竹を使った竹細工が作られており、1983(昭和58)年、長野市戸隠や伊那市と共に「信州竹細工」として県伝統的工芸品に指定された。百瀬さんは竹細工に魅せられて、2015(平成27)年に制作を開始。現在は松本市内で会社勤めをしながら、振興会の一員として、制作のほか調査や情報発信も担っている。
ブースには手籠やそばざる、とうじ籠などを展示し、百瀬さんがかご編みの実演を行った。材料として用いる根曲がり竹は、志賀高原で許可を得て採取しているという。竹ひごを手にして籠を編み上げる様子に、来場者が足を止めて見入っていた。百瀬さんは「思ったよりも多くの人に興味を持ってもらえた。須賀川竹細工のことを知ってもらう機会になって良かった」と話す。
開催は今年で21回目。毎年5月に行われる「クラフトフェアまつもと」の姉妹イベントとして、「物を使う人と作る人が出会い、ものづくりの過程を楽しむ」ことを目的にしている。実行委員長の寺澤尚美さんは「子どもや親子だけではなく、中高生くらいの世代にも手を動かして作る楽しさを感じてもらいたい」と話す。保育園や小中学校に加え、昨年からは高校にもポスターなどを配布し、PRを行っている。「両日、天候にも恵まれ、たくさんの方が足を運んでくれた。これからも、手の中から物が生まれてくることを体験できる場をつくっていければ」とも。