小澤征爾さん、「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」に向けて抱負語る

記者会見の様子

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 「サイトウ・キネン・フェスティバル松本(SKF)」の会見が6月7日、まつもと市民芸術館であり、総監督・小澤征爾さんと、同館芸術監督で舞台監督を務める串田和美さんらが、公演への意気込みを語った。

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 同フェスは8月8日に開幕、8月31日まで開催する。20年目を迎える今年は「3本の柱」として、バレエとオペラ、同館との共同制作舞台、中国での「引っ越し公演」を挙げた。バルトークの曲を多く演奏するのも特徴。

 初めての上演となるバレエの演目は「中国の不思議な役人」。演出・振り付けを金森穣さん(新潟市民芸術文化会館・舞踏部門芸術監督)、指揮を沼尻竜典さん(びわ湖ホール・芸術監督、群馬交響楽団・首席指揮者)が手掛ける。「このようなかたちでオペラに関わるのは初めて。全力でぶつかっていく」と金森さん。沼尻さんは「小澤さんの指揮を楽しみにして来た人たちの前で振るのは微妙にやりにくいが…(笑)」と会場の笑いを誘った。

 舞台「兵士の物語」で串田さんは芸術監督としてだけでなく出演も予定。小澤さんは音楽監督を担当する。串田さんは「『ジャンルの垣根を越えた舞台芸術のフェスティバルを開催したい』と芸術監督に就任してから約8年間にわたって思い続けてきた。第一歩を踏み出せてとてもうれしい」と笑顔を見せた。「来年以降もさらに発展させたものをと考えている。小澤さんとこっそり話しているんだけど、(未決なのに)小澤さんしゃべっちゃうから…(笑)」と串田さんが話すと、小澤さんは「いろんなことをやりたくてしょうがないんだよ(笑)。夢はたくさんある」と笑顔で答えた。

 同フェスの「引っ越し公演」は初めて。今回は9月1日~11日に北京と上海で行われる。「自分は中国の生まれ。中国で開催できるのはうれしい限り。この開催をきっかけに素晴らしさを伝え、松本に足を運んでもらえるようになれば」と小澤さん。会見には中国メディアも訪れ、関心の高さをうかがわせた。

 東日本大震災にも触れ「いつもと違う年と、身に染みて感じている。音楽で役に立てることがあると思う」と小澤さん。「病気をしていろいろと考え、学んだ。それは知識や技術も大事だが、音楽に対する気持ちが自分を動かしているということ。健康面でさまざまな人たちに迷惑をかけたが、今年は大丈夫」と力強く抱負を語った。

 チケット販売は7月2日10時より、各プレイガイドで全国一斉発売。長野県松本文化会館など県内5カ所では、7月2日のみ窓口販売を行う(電話での受け付けはなし)。詳しくは公式サイトで確認できる。

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