松本のギャラリーカフェで陶芸展-普段使いの器やカップなど豊富に

「料理を盛ったときに完成する作品」(大胡さん)が多数並ぶ。

「料理を盛ったときに完成する作品」(大胡さん)が多数並ぶ。

  • 0

  •  

 松本市のギャラリーカフェ「Gargas(ガルガ)」(松本市深志3、TEL 0263-39-5556)で現在、陶芸家・大胡(だいご)琴美さんによる作品展「大胡琴美の218rpmで夏」が開催されている。

大胡琴美さんの作品。大小さまざまな貫入が入っている

[広告]

 同展では器や皿、カップ、オブジェなど150点以上の作品を展示する。展示タイトルにある「rpm(アールピーエム)」とは回転などの周期的現象が1分間に繰り返される回数を示す単位。電動ろくろの1分間の回転数は50~300rpmほどで、大胡さんが現在218rpmくらいまで回転数を上げて作れるようになったことから付けたタイトルだという。同店での個展は3回目。

 大胡さんの作品は、白やベージュ、茶色、薄い水色など落ち着いた色合いのものが多く、形もシンプル。外側にブロンズ入りの釉薬(ゆうやく)を掛け、内側は貝殻のような質感を持たせた大胡さんの定番作品も多数並ぶ。「内側は、外側のブロンズ入りの釉薬が染み込んで生まれる質感なので、同じものは二つとない。予期せず出る雰囲気が自分でも気に入っている」と大胡さん。

 貫入(陶器を焼く際に土と釉薬の収縮率の差によって生じる釉薬の細かいひび状のもの)入りの作品は、焼いた後にドングリやトチの実などの渋汁に浸して貫入に色を入れている。ひびは大きく入ったものから細かく入ったものまでさまざま。

 鉢やボウルなど大きめの作品も出品。「以前は技術的に作ることができなかったが、お客さんからのリクエストが多かったので作るようにしていた。作っているうちにどんどん楽しくなって、多く作れるようになってきた」(大胡さん)。同店オーナーの熊谷俊行さんは「『218rpm』だし、成長したね」とほほ笑む。

 ギャラリーの奥には枯れた花をイメージして作ったというオブジェが。「生き生きと咲いているものより枯れたもののほうに意識が行く。不気味だが、それが逆にリアルで、思い立った時によく作っている」。

 「日々使う食器なので、なるべく軽く作るようにしている。大きいものほど特に意識している。大きくて重かったら食器棚の奥に追いやられちゃうでしょ(笑)」と大胡さん。「料理を盛ったときに『景色』として完成する作品を作り続けていきたい」とも。

 作品は販売も行う。皿=1,050~、カップ=1,680円~、はし置き=630円、オブジェ=5,000円など。営業時間は11時~20時。火曜と第1・3月曜定休。入場無料。8月29日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース