松本・里山辺に「ブックパッカー」アンテナサイト-「本の相談」も

うちっぱなしの土間。「本との出会いの場になれば」とウチダさん。

うちっぱなしの土間。「本との出会いの場になれば」とウチダさん。

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 松本の里山辺に5月17日、好きな本を持ち寄ってそれぞれ語りたいことを語るイベント「ブックパッカー」のアンテナサイト(松本市里山辺、TEL 0263-88-3787)がオープンした。

じゅうたん敷きでくつろげるスペースも

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 築50年近くの一軒家の一部をそのまま利用。打ちっぱなしの土間とじゅうたんを敷いた1室にはいすとテーブルを置き、読書はもちろん、レコードを聴いたり、ただぼんやりしたりなど、自由に使えるようにした。「好きなように時間を過ごしてもらえれば。寝ながら本を読みたいという人にはテントを出すので(笑)」と代表のウチダゴウさん。

 現在の蔵書は500冊近く。「本の相談」(500円)はウチダさんがリクエストに応じた本を探して3冊まで貸し出してくれるサービス。「相談といっても、話しながら選んでいく感じ。途中で脱線することもあって、想定していないものになることも(笑)」。

 ウチダさんは2007年まで東京を中心に詩のイベントを行ってきた。「小学生からお年寄りまで300人ほどが一つのテーマで詩を書いて展示していた。でも大人数ということもあり、あまり結びつきが深くないというか…ちゃんと受け取ってくれているのか不安だった」と話す。年1回のイベントで話せるのは5~10人ほど。手応えを感じることができず、イベントをやめてしまった。

 同じ時期、友人と話す中で「ブックパッカー」のきっかけが生まれた。「友達といて、ふと会話が途切れたたときに、かばんの中にある本の話をすることがあった。何かこれで始めることができればと思って…」。同イベントを2008年1月にスタートし、毎月2回ほど、主に東京で開催してきた。場所はカフェや公園、人数は5~10人と少人数で開催。「目的は明確じゃないが、『本を片手に集まろう、話そう』という感じ。本はどんな本でもいいし、話すことも何でもいい」。

 同イベントを続けるうちに「帰る場所、拠点になる場所があればいい」と話が出たという。当初は東京近辺を予定していたが、思うような物件がなかった。「たまたま以前旅行した松本に来てみたら、何だかいいかもと思った(笑)」。昨年7月に訪れた後、知人を通じて人を紹介してもらいながら、アンテナサイトの準備を進めてきた。

 同イベントは月1回のペースで松本でも開催している。「絵本でも写真集でも、それこそ大人の本でも(笑)どんな本でもいい。以前はパスポートを持ってきた人も。話したいことがあって、そのために本を持ってくるという感じかな」(ウチダさん)。今後は「本の行事」としてトークイベントやワークショップ、子どもを対象にした「どまのがっこう」なども企画していきたいという。「本はそれ自体を読むという目的もあるが、一つの道具として使える面もあると思う。本の内容を受け取るだけじゃなく、もっとその機能を広げて使いこなすことができれば」とも。

 開設時間は11時~17時。

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