「信州・まつもと大歌舞伎」-演出の串田和美さん、今年の意気込み語る

今年の「信州・まつもと大歌舞伎」について語る串田和美さん

今年の「信州・まつもと大歌舞伎」について語る串田和美さん

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 2008年に行われ大好評だった「平成中村座 信州・まつもと大歌舞伎」の第2回公演が今年7月、松本市のまつもと市民芸術館(松本市深志3)で上演される。

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 開催は今年で2回目。前回は「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」を上演。中村勘三郎さんらが出演し、初日だけで1,170人を動員するなど盛況ぶりをみせた。出演役者が人力車に乗ってお披露目をする地方公演恒例の「お練り」では約5万人が沿道を埋め尽くした。

 今年の演目は「佐倉義民傳(さくらぎみんでん)」。領主の圧制に苦しむ農民を救うために処刑を覚悟して将軍に直訴する名主・木内宗吾の「生き様」を描いたもの。歌舞伎には珍しい農民劇として1851年の初演から数多く上演されている。

 4月23日に行われた記者会見で、同館芸術監督で演出を手掛ける串田和美さんは「中村橋之助さんが『佐倉義民傳をやろう』と言い出して…。やったことがないので最初は困ったけど、『よし、やるか』という気になった(笑)」と話し、「『夏祭浪花鑑』は何度も上演してきたが、『佐倉義民傳』はまったくの新作なので、まだどうなるか…。緊張するが、やり遂げられたら歌舞伎の可能性が広がると思う」と意気込む。

 今年の上演については、「役者がラップ調にせりふを語る」「前列の観客に農民を連想させるような席や衣装を用意する」などの演出を考案中だという。「前回の成功があったから今回がある。今回成功しなかったら次回はないかもしれない…。そういった意味で今年は昨年以上に緊張するし大事な年だと思っている」。

 併せて、前回同様「市民キャスト」の募集も発表。「前回、市民キャストが公演を盛り上げてくれた。もともと歌舞伎は一般庶民の娯楽。ライブハウスに行くような感覚で、若い人にもぜひ参加してほしい」と参加を呼びかける。

 「信州・まつもと大歌舞伎」は7月2~8日の7日間、計11公演を予定。チケットは5月5日から発売開始。「市民キャスト」の募集詳細は5月中旬に発表する。問い合わせは、まつもと歌舞伎実行委員会(TEL 0263-34-3293)または同館(TEL 0263-33-3800)まで。

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