信州・まつもと大歌舞伎の「内側」に迫る-松本市美術館で写真展

フォトグラファーの明緒さん。こっくりとした独特の色合いで「歌舞伎の内側」を表現している。

フォトグラファーの明緒さん。こっくりとした独特の色合いで「歌舞伎の内側」を表現している。

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 7月5日からまつもと市民芸術館で始まる「平成中村座 信州・まつもと大歌舞伎」の開催記念写真展「歌舞伎の内側」が7月1日から、松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-7400)で開催されている。

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 同展は今年4月からベルリン、渋谷と舞台に合わせて巡回。フォトグラファーの明緒さんが7年前から撮り始めた写真を展示している。楽屋で準備している様子や休憩している様子を写したものや、作業するスタッフを写したもの、役者のポートレートなど、「内側」が垣間見られる作品約60点が並ぶ。モノクロでもない、セピア色でもない独特の色合いは「カラープリントしているが、はちみつのようなどろっとした色合いで、(色を)止める。自分はこの色に湿度のある、アジアっぽさを感じている」(明緒さん)。

 「信州・まつもと大歌舞伎」で演出を担当している串田和美さんの妻である明緒さんは、自然に楽屋に出入りするようになったという。明緒さんの目を通してずっと見てきた串田さんや中村勘三郎さんの歌舞伎は「どの歌舞伎でもというものではなく、におい、質感など彼ら独特のもの」だという。「(串田さんが)どんな舞台にしたいと思って演出しているか、近くにいる分、理解していると思う。だからこそ撮れる写真」と明緒さん。「(ポートレートを撮るときは)イメージで伝えたり、具体的に動きをお願いしたり、人によってそれぞれの伝え方がある。うまくいくまでには時間がかかるが、それがうまくいったときに撮れる」とも。

 舞台・同展とともに各地を巡回してきた明緒さんは、今も「内側」の写真を撮り続けている。ベルリンでは「『歌舞伎』=『昔』というイメージがあったが、写真展を見て『現代に生きている人が演じている』ということを実感した」と感想を話す人もいたという。「400年前から続いている伝統芸能をどう見せていくか。『内側』を撮ることで、『今』とのつながりを見せていければ」とも。

 営業時間は9時~17時。入場無料。7月13日まで(7日休館。6日、8日~10日は17時30分まで、11日は「美術館ナイトミュージアム」で20時まで延長営業)。

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