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安曇野で「手紙」テーマのガラス展-紙質や収納箱にもこだわり

「ゆっくり見てもらえれば」と松原さん

「ゆっくり見てもらえれば」と松原さん

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 安曇野市の「ギャラリー・シュタイネ」(安曇野市穂高有明、TEL 0263-83-5164)で現在、同市在住のガラス作家・松原幸子さんの個展「Dへの手紙」が開催されている。

鮮やかな色の家が加わった「ちいさいいえ」シリーズ

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 オブジェをメーンに約70点を展示する。中心となるのは「手紙」をテーマにした作品。絵画や詩など、それぞれの作品に初めて出会ったときに感じたことと現在感じることを制作者に宛てた「手紙」にし、5層のガラス板に挟んだもの。松原さん自身が模写した原画や原文も挟まれている。手紙は、制作者の出身地の言語に翻訳して書いたり、古さを出すためにほうじ茶で染めた和紙に書いたりと、さまざまなこだわりを見せる。箱も手作りで、全て開き方が異なる。「作品に対して考えが深まった。紙質や色、ペンなど試行錯誤が多い作品だったが、今後につながるいいきっかけになった」と松原さん。

 定番作品も多く展示。「ちいさいいえ」は、世界中のさまざまな家がある丘を表現した作品。今回は、赤や黄色など鮮やかな色合いの家がある風景を作った。「北の方の国にはカラフルな色の家が多いと知った。家に加え、橋やポスト、小さな建物を添えることでストーリー性が増した」

 「プレート」は、鮮やかなガラスプレートにさまざまな街の様子を描いたもので、空にはスズ製の飛行船が浮かぶ。「飛行船を別素材で作り立体的にすることで、ただの絵で終わらず、その先を空想しやすくなると思って」。安曇野赤十字病院や松本献血ルームの待合室にも飾られているという同シリーズ。「重い時間に、別の空想をして気持ちを軽やかにしてもらいたかった」

 「今回はテーマ性のあるものを中心に展示した。数多くというより一つ一つじっくり手をかけて制作し、それをゆっくり見てもらいたかった」と松原さん。「これからの制作の新たな一歩となる機会になった。今後の歩みも見てもらえたら」とも。

 作品は全て販売する。オブジェ=3,570円~、プレート=2万1,000円~など。営業時間は10時~18時(最終日は16時まで)。木曜定休。入場無料。9月29日まで。会期中、土曜・日曜・祝日は松原さんが在廊予定。

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