松本市美術館で紙を使ったワークショップ-「工芸の五月」イベントで

中庭に張られたロープに作品を付ける子どもたち

中庭に張られたロープに作品を付ける子どもたち

  • 0

  •  

 現在開催中の月間工芸イベント「工芸の五月」の一環で5月22日・23日、紙を使ったワークショップ「モーネ寺子屋」が松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-3400)で行われた。

中庭には子どもたちが作った「羽のある虫」が

[広告]

 モーネ寺子屋は京都を中心に開催している「『生活を楽しくするもの作り』を面白おかしく学ぶ」ワークショップ。主宰は、ものづくりや毎日の暮らしを楽しむアイデアの提案に取り組む「モーネ工房」(京都市上京区)。松本での開催は昨年に続き2回目で、両日とも午前中は子どもを対象に「羽のある虫をつくろう」、午後は大人を対象に「紙の実験/リ・ユースの紙を使って」を行った。

 「こども寺子屋」では、段ボールやトレーシングペーパーを使ってトンボ・チョウ・カブトムシなど、羽のある虫を制作した。子どもたちは作りたい虫を紙に描いてから、まずは羽作りを開始。土台になるトレーシングペーパーに、ちぎったトレーシングペーパーをのりで張り付けていく。いくつも紙が重なると異なる透け感が生まれ、立体的な羽ができ上がった。段ボールを使って作った胴体に羽を付け、シールで飾って完成。スタッフが針金を取り付けると子どもたちはそれを手に、中庭に張られたロープへ付けに向かった。

 ほとんどの時間を羽作りに費やす子や、夢中でシールを張る子、針金1本では支えられないほどの大作を作る子、小さいトンボを4、5匹作る子、「羽のある虫」以外にもダンゴムシやトビウオなどを作る子など、思い思いの方法で2時間のワークショップを楽しんだ。最後は中庭でそれぞれの作品とともに記念撮影。母親と一緒に参加した松本市の伊藤美咲ちゃん(5)は「羽を作るのが楽しかった。(チョウの)おうちも作った」とできあがった作品を周りの人に見せながら、うれしそうに話した。

 午後に行われた「大人寺子屋」では、ダンボールや雑誌の切り抜き、スタンプなどを使ってコラージュしたカードを制作。参加者は集中して次々とカードを作り出した。最後は気に入った5枚を各自選んで壁に張り出し、参加者全員で見ながら「今まで図工は苦手だったが、夢中になって作ることができた」「改めて見ると、自分は真ん中(の構図)が好きなんだなと思った」などと感想を述べ合った。

 「作品を完成させることより、発想を知るということを大事にしていきたい」と主宰の井上由季子さん。「ものの再利用の仕方などは10人いたら10人の発想がある。上手下手ではなくて、それぞれの個性や、『やってみたい』という気持ちを刺激して、家に帰ってもものづくりが続く…そんな提案をしていけたら」と話す。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース