松本民芸家具、創業者・池田三四郎氏生誕100年で作品展示企画

松本民芸家具の原点ともいえるいすが並ぶ

松本民芸家具の原点ともいえるいすが並ぶ

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 中町の「松本民芸家具 中央民芸ショールーム」(松本市中央3、TEL 0263-33-5760)で企画展「松本民芸家具への道…池田三四郎の仕事」が5月2日より開催されている。松本市を中心に開催している月間イベント「工芸の五月」の企画の一環。

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 松本民芸家具は、1944年に創立(当時は「中央機材工業」)。今年が創業者・池田三四郎氏の生誕100周年にあたる年であることから、これまでの経緯を振り返り作品の展示を行うもの。

 同氏は1948年、日本民芸の祖と言われる柳宗悦氏との運命的な出会いを経て、民芸論の研究、体得に励み、同時に家具職人を集めて、当時衰退していた家具産業の復興に取り組んだ。また、「見た目の形や理論だけでは計り知れない本質を作り手は体得するべき」と考え、イギリス、アメリカ、日本などの家具や調度を収集。それらと生活を共にしながら修行する場所として「松本民芸生活館」を創設した。同館では現在でも「職人の卵」が集団生活しながら修行に励んでいる。

 もともと松本地方は昔から全国屈指の家具製造の伝統を持っている土地であり、「昔のよいところを正しく現代にうつし変え、使う人のために本当のよい家具を作ることに使命感を持って」(同氏)、手作業に徹した家具作りを行ってきた。材料も約90%を占めるミズメをはじめ、ケヤキ、セン、ナラなど国産の広葉樹を用いている。また、「外国では古くから家具は大切な財産の一部として子孫に伝えられる習慣がある」(同氏)と、特に大衆的であるが工芸性の高いイギリスの家具に着目。中でも庶民の間で作られ、使われていたウィンザーチェアの研究と習作を繰り返してきたという。池田氏が1999年に亡くなった後もその遺志は引き継がれ、製品はレギュラー商品だけでも800種類を数える。

 「職人たちが無心で作っていく中で、ピュアなものができる」と店長の森島治さん。「工芸は人間の暮らしに奉仕することから始まった」という池田氏の言葉を引き、「道具はみんなに役に立つもの。役に立つというのは、普遍的で流行に左右されず、丈夫で長持ちすること」と話す。「材料となる自然に感謝しなければならないし、作る技術を考え出した先人にも感謝しなければならない。量産ではない手仕事が注目されてきている中、お金と物の交換ではなく、心が通い合うようなものがあることを知る機会になれば」とも。

 店内には松本民芸資料館に収蔵されていた池田さんが収集した家具の参考品の一部を展示。すべて200年から300年以上前に欧米で作られたもので、今も実用に耐えられるもの。「当社の家具作りの原点といえるもの。木の命がいかに長いかを感じてもらえれば」(同)と、特別に展示を行っている。

 営業時間は9時30分~18時。入場無料。6月2日まで。

松本民芸家具工芸の五月クラフトフェアまつもと2008特集【前編】「発信する街」に根付いた心地よい空間(松本経済新聞)

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